投資信託の安全性はこうして守られている
投資信託は、運用の指示を出す「投資信託会社」、投資信託に組み入れられている資産の管理を行う「信託銀行」(受託銀行ともいいます)、そして投資信託を販売する「販売金融機関」の3者によって成り立っています。
「販売金融機関」は専ら投資信託を販売するのが主たる業務であり、そこを通じて集められた資金は「信託銀行」に送られます。
「販売金融機関」は、かつては証券会社ばかりでしたが、今は銀行などにも投資信託の販売が解禁されています。ですから、大半の金融機関の窓口やウェブサイトで投資信託を購入できます。
「投資信託会社」は、「信託銀行」に、どういう株式や債券を買うかの指示を出します。そして、「信託銀行」は「投資信託会社」からの運用指示通りに売買注文を出し、「販売金融機関」から送られてきた資金で買い付け、さらに買い付けた株式や債券を管理します。
以上が、投資信託を運用する際の流れになります。
少しややこしいですが、このように「投資信託会社」、「信託銀行」、「販売金融機関」がそれぞれ独立した業務を遂することによって、投資信託の安全性が担保されています。
仮に「販売金融機関」や「投資信託会社」が倒産したとします。それでも、投資信託に組み入れられている資産は「信託銀行」が管理しているので、毀損する恐れはありません。
また、「信託銀行」が管理している投資信託の資産は、「分別管理」といって、「信託銀行」の資産とは分けて管理されるため、仮に「信託銀行」が経営破綻したとしても、やはり投資信託の組入資産は保全される仕組みになっています。
しかも、投資している金額の多寡に関係なく保全されますから、ある意味、元本1,000万円とその利息分までしか保護されない銀行預金に比べても、破綻リスクに対する耐性が高いともいえます。
中野 晴啓
セゾン投信創業者