顔認証で“見知らぬおじさん”と照合→係員「オッケー!」…「デジタル大国・中国」のリアル【現地駐在員の体験記】

顔認証で“見知らぬおじさん”と照合→係員「オッケー!」…「デジタル大国・中国」のリアル【現地駐在員の体験記】
(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、東洋証券株式会社の中国株コラムから転載したものです。

交通反則金の「キャッシュレス納付」は当たり前

それでもデジタル化の流れは止まらない。ネットユーザーの40.9%が配車(ライドシェア)、48.8%がフードデリバリーを利用中。ネット通販の利用率は79.2%、キャッシュレス支払いは85.4%に上る(全て22年の値)。そのほとんどがスマホ経由だ。

 

そしてなんと、使用率94.8%を誇るのがショート動画。人気プラットフォームは、「抖音(ドウイン=TikTok)」、「快手(クァイショウ)」、テンセントの微信(WeChat)系の「視頻号(チャンネル)」など。いずれもショート動画やライブ動画に力を入れており、人気ライバーも数多く生まれている。

 

中国で特徴的なのは、これらは何も若者中心のツールではなく、幅広い世代で支持を得ていること。巷の小ネタやオモシロ動画、社会ニュースなどに夢中になっている中高年層や高齢者も多い。ローカル線の車内や田舎の道端にあるベンチで皆が思い思いに動画を楽しむ姿を見ると何だかほっこりする。

 

スマホ動画は、ユルい施設の受付スタッフやガードマンのヒマつぶしの定番でもある。閑古鳥が鳴く観光地や商業モールなどでよく見られる光景だ。

 

以前訪問したオフィスビルでは、受付スタッフがスマホでのNBA観戦に全集中。私の存在に気付かず、なかなか入館手続きをしてもらえないこともあった。「仕事中になんと不謹慎な!」とお怒りの声も出そうだが、もちろんこれは極端な例。ただ、想像の斜め上を行く現場に出くわすことがあるのも事実だ。

 

先日、上海の街を歩いていると、自転車に乗った市民が交通警察に呼び止められていた。どうやら通行禁止の道を走っていたらしい。聞き耳を立てると、警官曰く「罰金は50元です。WeChatとアリペイ、どちらで払いますか?」。手にはQRコードが印字された簡易レシート。中国では交通反則金のキャッシュレス納付は当たり前だ。

 

ニコニコ現金払いならぬ渋々キャッシュレスとでもなろうか。警官は去り際に「通行禁止エリアは地図アプリで確認してくださいね」と言い添えていた。デジタル経済ここにあり。

 

 

奥山 要一郎

東洋証券株式会社

上海駐在員事務所 所長

 

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