四季報内の「少数キーワード」がテンバガーにつながる
「少数キーワード」とは、全上場会社の四季報コメント内でわずか1〜2件ぐらいしかヒットしない、登場回数が極めて少ないキーワードのことだ。まだ一般に顕在化していない「潜在テーマ」だが、今後の世の中の流れ次第では、大きなテーマになる可能性を秘めている重要なキーワードである。
たとえば、IoTの上位概念とされているIoEは、私が四季報(2022年新春号)から、いつものように「少数キーワード」を検索していて、エフティグループ(2763)のコメント欄に唯一あった言葉だった。
また、「空飛ぶクルマ」というキーワードは、四季報(同号)の建設コンサル大手である人・夢・技術グループ(旧長大9248)のコメント欄に初登場しており、「【空飛ぶクルマ】空飛ぶクルマを手がける企業と資本業務提携し、空のインフラ整備を担う」と書かれていた。
テンバガーが狙えるキーワード①メタバース
この言葉が四季報に初登場したのは、2021年秋号のグリー(3632)のコメント欄だった。
「【仮想空間】インターネット仮想空間メタバースへの参入を発表。2〜3年かけて100億円規模の投資予定」
と書かれていた。こうしたコメントからメタバースが【仮想空間】であることは理解できたが、この四季報発売から約1カ月後の10月19日付の日経新聞夕刊に、「欧州で1万人を採用フェイスブック仮想空間強化」との記事が掲載されていた。
その後、10月28日にフェイスブックが社名をメタバースの「Meta(メタ・プラットホームズの略称)」にすると発表しており、これはまさに潜在テーマが顕在化した瞬間だった。
では、そもそもメタバースとは何か。グリーがメタバース事業に参入すると発表した2021年8月6日のニュースリリースによれば、「同時に多くの人が参加して、アバター(「化身」という意味で、ネットワーク上の仮想空間でのユーザーの分身のこと)を通じて、実社会に近いレベルで交流や仕事、遊びなどの活動が自由にできるデジタル世界のことであり、現実と仮想の隔たりを超えて社会活動ができる次のインターネット空間」とある。