スティーブ・ジョブズの死因
このようにしてスティーブ・ジョブズはAppleを創業し、後にiPhoneやiPadなどの革新的なデバイスを世に送り出していきました。しかし、2011年には56歳で亡くなってしまいます。死因はすい臓がんでしたが、早期発見ができれば回復する見込みがありました。しかしジョブズは診断を受けてから9ヵ月も手術を拒否していたのです。なぜ、ジョブズはすぐに手術を受けなかったのでしょうか?
すい臓がんの発見
2003年、スティーブ・ジョブズがすい臓がんと診断されてから、ジョブズは表舞台から姿を消しました。完治が可能な珍しいタイプのすい臓がんであったため、早期に手術を受けていれば回復する可能性も高かったのですが、ジョブズは診断を受けてから9ヵ月間、手術を拒み続けたのです。その結果、肝臓への転移などがんの悪化につながり、取り返しのつかない状態になってしまいました。
手術を拒んだ理由
スティーブ・ジョブズは「自分の体を切開されたくない」として手術を拒んでいました。また、大学中退後にはインドへ旅に行ったり瞑想や禅といった東洋思想に影響を受けていたのです。これにより、西洋的な外科手術や現代医療に疑問を抱いており、ジョブズはマクロビオティックやスピリチュアリストに会いに行くことでがんを克服しようとしていました。
しかし、妻や周囲の人間に説得され、2度の手術を受けていますが2011年にすい臓がんが再発し、亡くなってしまいました。晩年には民間療法に頼ったこと、もっと早く手術を受けなかったことを後悔していたようです。
スティーブ・ジョブズが成功したワケ
アメリカ元大統領のバラク・オバマ氏はスティーブ・ジョブズについて「アメリカのイノベーターのなかで最も偉大な1人であった」と評しており、Google創業者のラリー・ペイジは「彼はとてつもない業績と驚くべき輝きを持つ偉人であった」と評しています。スティーブ・ジョブズはなぜこれほどまでに成功することができたのでしょうか? ここではジョブズが成功した理由についてみていきましょう。
2.幅広い経験と深い経験を組み合わせる
3.好奇心が強く、同調せず、反抗的である
4.無駄な会議をしない
それでは1つずつ解説していきます。
1.「ユーザーエクスペリエンス」の徹底追求
Google創業者のラリー・ペイジはスティーブ・ジョブズについて「彼のユーザーエクスペリエンスへの関心はいつもほかの人より高く、常に私にインスピレーションを与えてくれる存在であった」と語っています。ユーザーエクスペリエンスとは直訳すると「ユーザー体験」となり、ユーザーが製品やサービスを利用した際に得られる体験や感情の総称を指しています。
スティーブ・ジョブズは製品づくりの際には常に「テキサスのおばさんでも簡単に使える機械」を目指していました。この考えをもとにデバイスから物理的なボタンを無くす「タッチパネル」という方式が採用されたのです。つまり、「タッチパネルという技術を開発したからiPhoneをつくった」のではなく、ユーザーエクスペリエンスが最もよくなるように考えて、タッチパネルを採用したのです。
2.「幅広い経験」と「深い経験」の組み合わせ
スティーブ・ジョブズは「革新的なつながりを見つけるためには、ほかの誰とも違う経験の組み合わせをもつべきだ」と語っています。ジョブズのこの考えは科学的にも立証されています。
1901年から2005年までのノーベル賞を受賞した科学者と一般的な科学者を比べた研究では、どちらの科学者もその分野において高度な専門性を持っていました。しかし、ノーベル賞受賞者は一般的な科学者よりも芸術にたずさわる割合が、並外れて高かったのです。
また、起業家や特許の申請に貢献した人は、一般的な人よりも絵画や建築、スケッチ、彫刻、文学などを趣味にしている確率が高いこともわかっています。つまり、創造性を発揮するには「幅広い経験」と「深い経験」が組み合わさる必要があるのです。
3.好奇心が強く、同調せず、反抗的
スティーブ・ジョブズは、アメリカ建国の父であるベンジャミン・フランクリンや、アルベルト・アインシュタインなどの歴史的な偉人や成功者と同じ特徴を持っていました。これらの人物は想像力や強い情熱を持っていますが、それ以外に3つの共通点があります。それが、
・周囲に同調しないこと
・反抗的であること
というものです。これらは日本社会においては一般的には疎まれたり忌避される性質ではないでしょうか? しかし、並外れた成功を収めたり偉業を成し遂げる人には、このような性質が備わっているのです。なぜなら、このような人たちは地位や権力に興味がなく、素直だからです。そして、リスクを恐れず行動し続けます。
4.無駄な会議をしない
スティーブ・ジョブズは会議をする際に、会議に出席している正当な理由を本人が挙げられない場合、その人を追い出したといわれています。つまり、会議をする際には絶対に必要な人だけですることを徹底していたのです。
あなたの会社ではなにも発言しない傍観者や、「とりあえず呼んでおこう」といったような人が会議に参加していませんか? スティーブ・ジョブズは会議を行う際は必要最低限の人数で行い、より洗練された会議にすることを意識していました。
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