世界的格付け機関「フィリピン・格付けを引き上げ」…世銀の支援が経済成長を後押し

5月29日週「最新・フィリピン」ニュース

世界的格付け機関「フィリピン・格付けを引き上げ」…世銀の支援が経済成長を後押し
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今週はグローバルな格付機関が「フィリピンの格付けを引き上げた」ことの背景について考察していきます。

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フィリピン「格付け引き上げ」の判断理由

フィッチ・レーティングスは、フィリピンの投資格付けを確認し、見通しをネガティブからステーブルに引き上げました。これは、同国の経済がパンデミックからの回復を続けるという信頼を反映しています。

 

フィッチ・レーティングスは、フィリピンの長期外貨建て債務発行体格付けを「BBB」とし、見通しをステーブルに維持しました。「BBB」の格付けは、デフォルトリスクが低く支払能力が十分であることを示していますが、一部の不利な経済状況がこれを妨げる可能性もあります。

 

見通しのステーブルは、中長期や次の18〜24ヵ月において、格付けが維持される可能性が高いことを示しています。

 

フィリピンの経済成長率は順調に向上しており、2022年には7.6%、第1四半期には6.4%の成長を達成しました。政府は今年のGDP成長率を6〜7%を目標としています。フィッチは、フィリピンの実質GDP成長率を中期的に6%以上と予測しており、これは「BBB」の中央値の3%よりも著しく高いです。

 

フィリピンのデット・トゥ・GDP比率は高いままですが、近い将来には改善すると予想されています。政府のデット・トゥ・GDP比率は2024年までに約52%に減少する見込みであり、中央政府のデット・トゥ・GDP比率は2024年までに59%まで低下すると予測されています。

 

フィッチはまた、2023年に現在の財政赤字がGDPの2.3%に縮小すると予想しています。要約すると、フィリピンの経済はパンデミックからの回復を続け、フィッチの格付け引き上げはその信頼を示しています。デット・トゥ・GDP比率の改善と経済成長率の上昇は、投資家やビジネスパーソンにとって前向きな展望を提供しています。

 

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世界銀行の支援がフィリピンの経済成長を加速

フィリピンの経済発展を支えるために、ワールドバンクが強力な支援を約束しました。この支援は、経済成長の推進と持続可能な開発の実現を目指すフィリピン政府の計画に基づいています。

 

ワールドバンクの支援により、フィリピンのインフラストラクチャー整備や教育・健康分野の改善、貧困削減策などが進められます。これにより、フィリピンはビジネス環境が改善されます。特に、インフラ整備は大きな機会を提供します。フィリピンでは、マルコス大統領が前ドテルテ大統領の政策ビルドビルドビルドを引き継いだBBM(Build Better More)という交通インフラ整備計画を強力に推し進めています。

 

これに基づき、道路、橋、港湾施設などのインフラストラクチャーの整備が進められており、物流やビジネス環境の改善が期待されます。これにより、効率的な物流ネットワークや交通インフラが整備された市場でビジネスを展開することができるようになります。

 

さらに、教育や保健分野への投資により、フィリピンの人的資本が向上します。教育の質の向上や健康状態の改善は、労働力の能力向上や生産性の向上につながり、競争力のある企業を育成することができるでしょう。

 

またワールドバンクの支援により、フィリピンはグローバルな市場への参入や競争力の向上に向けた取り組みを推進します。ビジネス環境の改善や規制緩和、市場へのアクセスの拡大などが重要な要素とされています。これにより、日本などの海外企業も、フィリピン市場での成長と利益が期待されます。

 

フィリピン政府は、2025年までに、現在の下位中間所得国から上位中間所得国になることを目指しています。2021年現在のフィリピンの一人当たりGDPは3640ドルですが、上位中間所得国のそれは、$4,256-$13,205です。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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