戦略的な投資分野に資金提供を目指す「比・国営ファンド」
フィリピン中央銀行・BSPの総裁メダラ氏は、フィリピン国営ファンド・マハーリカ投資基金(MIF)を設立するための現行バージョンの法案について、問題はないと述べました。この基金は、国家の発展と投資を促進することを目的としており、効果的なガバナンス原則を備えることが期待されています。
法案では、BSPが最初の2年間は自身の配当金の100%をMIFに拠出することが要求されます。その後は、配当金の50%が基金に拠出され、残りの50%はBSPの資本増強に当てられます。BSPの総裁は、BSPの財務状況が非常に強力であり、資本増強の延期は重大な問題ではないと述べています。
この国営ファンドは、国営銀行のランドバンク・オブ・フィリピン、開発銀行(DBP)およびフィリピン娯楽施設公社(PAGCOR)からの初期資本拠出を予定しています。さらに、政府資産の民営化からの収益も基金の初期資本に充てられます。
この基金は、気候変動などの重要な課題に焦点を当て、戦略的な投資分野に資金を提供することを目指すものです。BSP総裁は、同国営ファンドが、国家の優先事項を達成するために貢献するとしています。またマルコス大統領は、同国営ファンド法案は、近々に承認される可能性があると発言し、この法案を緊急事項として指定しています。
AIで「フィリピン経済」900億ドルの押し上げも
マイクロソフトのアジア太平洋地域CEOであるPeter Maquera氏は、人工知能(AI)がフィリピン経済に2030年までに最大で900億ドルの経済押し上げ効果ををもたらす可能性があると述べました。
彼は、AIがコンテンツ生成、要約、コード生成、意味的な研究などの様々なビジネスの可能性を持っていると指摘し、Microsoftがフィリピンの経済に対するAIの影響についての研究を公開する予定であることも明らかにしました。
情報通信技術省のIvanJohn E.Uy長官は、テクノロジーの進化が企業のビジネスのあり方を変えつつあると述べ、組織は情報技術(IT)を活用することに開放的であるべきだと強調。国際金融公社(IFC)のアジア太平洋地域副社長であるRiccardo Puliti氏も、フィリピンのデジタル化の取り組みが正しい方向に進んでいると述べています。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
またマクドナルドフィリピンのマネージングディレクターであるMargotTorres氏は、企業のデジタル化の取り組みは顧客体験の向上に焦点を当てるべきだと主張。コンサルティング会社Bain&CompanyのパートナーであるYukiko Tsukamoto氏は、企業は適切なデータを収集することで顧客を理解するべきだと述べました。
ビジネスワールドのMiguel G.Belmonte CEOは、デジタル技術が苦境にあるセクターの改善や国の発展を妨げる重要な問題に対処するのに役立つと述べると共に、ビジネスの推進だけでなく、フィリピン人の生活を改善するためにこれらのテクノロジーが活用されるであろうとしています。また、持続可能性をデジタルトランスフォーメーション戦略に統合することが企業にとって重要であるともしています。