もらえるはずだった故人の年金は遺族が代わって受け取れる
◆遺族が請求できる年金は意外と多い
年金の支給月より前に亡くなった人や、年金を受け取る権利があったのに、請求せずに亡くなった場合、もらえるはずだった年金を「未支給年金」として遺族が代わって受け取れます([図表3]参照)。
たとえば、老齢年金を受給中の人は、亡くなった月までの年金をもらう権利があります。
しかし、年金は後払いのため偶数月に亡くなった人は1ヵ月分、奇数月に亡くなった人は2ヵ月分の年金が未支給になります([図表4]ケース1参照)。
また、繰り下げ待機中の人が年金を受給する前に亡くなった場合も、65歳からもらえるはずだった年金を遺族が5年前までさかのぼって請求することができます([図表4]ケース2参照)。
老齢年金以外にも、障害年金、遺族年金、寡婦年金を受給する要件を満たしていた人が、各年金を請求せずに亡くなったときも、遺族が代わって受け取れる場合があります。
受け取れる遺族の範囲は、優先順位が高い順から、配偶者(事実婚を含む)、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、それ以外の3親等以内の親族です。
いずれも、遺族の年齢に制限はありません。ただし、死亡日時点で、亡くなった人と生計を同じくしていた人が対象です。
小泉 正典
社会保険労務士小泉事務所
代表・特定社会保険労務士