ゼロクーポン債はどんな人に向いているか?
ゼロクーポン債が向いているのは、以下の2つの条件をいずれも満たす人です。
【ゼロクーポン債が向いている人の条件】
1. まとまった額のお金があり、かつ、当面の間使う予定がない
2. 株式投資(投資信託を含む)に抵抗がある、または、株式とリスク分散をしたい
◆条件1|まとまった額のお金があり、かつ、当面の間使う予定がない
1つ目の条件は、まとまった額のお金を持っており、かつ、当面の間、そのお金を使う予定がないことです。
その場合、長期間、銀行に預けておいても、まったく増えません。したがって、効率よく増やす方法があれば、なるべくそちらを利用することが推奨されます。
たとえば、今ある数百万円、数千万円のお金に手を付けずにとっておいて、将来、子どもの学資、結婚資金、住宅購入資金、老後資金等に使いたいと考えている場合、ゼロクーポン債を購入すれば、効率よくお金を増やせる可能性があります。
◆条件2|株式投資(投資信託を含む)に抵抗がある、または、株式とリスク分散をしたい
2つ目の条件は、「株式投資信託」を含む株式投資に抵抗がある、あるいは、株式とのリスク分散をしたいと考えていることです。
前提として、押さえておいていただきたいのは、一般に、債券よりも株式に投資した方が、大きく増やせる可能性が高いということです。
特に、米国株式や全世界株式の指数に連動する「インデックスファンド」は、堅調に推移しているアメリカ、あるいは全世界の経済成長を取り込んで、10年~20年の長期間で時間を味方につけて手堅くお金を増やせるといわれています。
たとえば、米国の時価総額の大きい主要500社の株式「S&P500」は過去10年間の平均利回りが約15%となっています。
過去の実績からの期待値、世界経済が全体として成長していく可能性に賭けることができるのであれば、ゼロクーポン債等の債券よりも、株式投資信託を購入して、大きなリターンを期待するという選択肢は合理的といえます。
ただし、株式は確実性に欠けます。
その点、債券は、あらかじめ利回りが決まっているので、確実性が高いといえます。
そこで、投資信託を含む株式投資に抵抗があるか、あるいは、株式とリスク分散をしたいという人にとっては、ゼロクーポン債は向いているといえます。
ゼロクーポン債を活用する場合のリスク・注意点
ゼロクーポン債を活用する場合、押さえておかなければならない主要なリスク・注意点は、以下の3つです。
【ゼロクーポン債のリスク・注意点】
1. 償還時に為替相場が「円高」に振れていると損失が発生するリスクがある
2. 償還時の差益に約20%の税金がかかる
3. 途中で売却すると損をする可能性がある
以下、それぞれについて解説します。なお、昨今さかんに報道されている米国債の「デフォルト(債務不履行)」のリスクについても、補足として解説を加えます。