儲かってるのに「もうすぐ倒産!」…“ヤバい企業”が一目でわかる「キャッシュ・フロー計算書」の読み方【人気簿記講師(税理士)が解説】

儲かってるのに「もうすぐ倒産!」…“ヤバい企業”が一目でわかる「キャッシュ・フロー計算書」の読み方【人気簿記講師(税理士)が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

今日、会計の知識は、あらゆるビジネスパーソンにとって重要です。税理士・民間企業の経理担当役員で人気簿記講師でもある石川和男氏が、著書『決算書は、「ここ」しか読まない 企業の伸びしろを1分で見抜く「読み方のルール」』(PHP研究所)から、決算書の「読むべき項目」や「順番」をわかりやすく解説します。今回は会社の資金状況がわかる「キャッシュ・フロー計算書」について解説します。

キャッシュ・フロー計算書が必要となるワケ

残金ゼロで、この2つの取引しかなかったとしたら、損益計算書には「売上高100万円」「売上原価70万円」「利益30万円」と計上され、30万円の黒字になります([図表2]参照)。

 

[図表2]損益計算書に計上される利益

 

しかし、キャッシュ・フローは「収入0万円」「支出70万円」「残高-70万円」になるのです([図表3]参照)。

 

[図表3]キャッシュ・フロー計算書に計上される現金収支

 

30万円も利益が出ているのに、会社にいくらお金があるかと思ったら、なんとマイナス70万円!

 

利益と一致していないどころか、これでは会社が危険な状況、まさに黒字倒産の危機です!

 

このように「収益と現金収入」と「費用と現金支出」には、ズレが生じます。この結果、「利益」と「現金収支」もズレが生ずるのです。お金と利益は奇跡でも起こらない限り、必ずズレます! そのため、お金の流れを把握するためにキャッシュ・フロー計算書が必要なのです。

 

キャッシュ・フロー計算書は損益計算書の「利益」についてお金の裏付けを示し、決算書を読んだ方が利益の質を評価する手段として使います。

 

前述した例のように、損益計算書の利益が同じ会社でもキャッシュ・フローに差があれば「キャッシュの多い企業が資金獲得能力に優れ業績が良い」と考えるべきでしょう。

 

■Point!

期首にあった現金が、期末いくらになったかを確認する!

 

 

石川 和男

合格率No.1簿記講師・税理士・建設会社総務経理担当役員

 

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決算書は、「ここ」しか読まない 企業の伸びしろを1分で見抜く「読み方のルール」

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石川 和男

PHP研究所

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