中小企業や名前の知られていない中堅企業にも良い会社はたくさんあります。 その見分け方がわかれば、転職等のキャリア形成、営業先の開拓、投資の是非の判断といったあらゆる局面で役立ちます。本記事では東洋経済新報社で編集委員を務める経済ジャーナリストの田宮寛之氏が、著書『ビジネスエリートが実践している 教養としての企業分析』(自由国民社)から、優良企業を見分けるための「企業分析」のポイントを解説します。
「当たり前のこと」を続ける老舗企業の価値
寺社建設を得意としていますが、それだけを手掛けてきたのではありません。
同社は関東大震災(1923年)の後に東京へ進出し、一般建築を手掛けるようになりました。
その後、第2次世界大戦後に連合国軍の家族宿舎を受注したのが成長のきっかけです。
過去の代表的な施工例として、小田原城や金沢城の再建工事のほか、東京都庁第一本庁舎などが挙げられます。
また、学校や病院、ソーラー発電所の建設も手掛けています。
戦国時代に創業した企業ですが、建設という本業から外れず、建設の中で様々な分野にチャレンジしつつ今日まで成長してきました。
「実力主義」「失敗への寛容さ」「財テクの禁止」「本業重視」など老舗企業には共通点があります。
当たり前のことを続けてきたとも言えますが、当たり前のことをきちんと実践するのは難しいことです。ベンチャー企業だけでなく、老舗企業にも目も向けることで、皆さんのビジネスや転職の幅が広がることでしょう。
田宮 寛之
東洋経済新報社
記者・編集委員・経済ジャーナリスト
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経済ジャーナリスト
東洋経済新報社 記者、編集委員
東京都出身。明治大学経営学部卒業後、日本経済新聞グループのラジオたんぱ(現・ラジオ日経)、米国ウィスコンシン州ワパン高校教員を経て1993年東洋経済新報社に入社。企業情報部や金融証券部、名古屋支社で記者として活動した後、『週刊東洋経済』編集部デスクとなる。
2007年、株式雑誌の『オール投資』編集長に就任。2009年、就職・採用・人事などの情報を配信する「東洋経済HRオンライン」を立ち上げて編集長となる。これまで取材してきた業界は自動車、生保、損保、証券、食品、住宅、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、外食、化学など。
『週刊東洋経済』デスク時代は特集面を担当し、マクロ経済からミクロ経済まで様々な題材を取り上げた。2014年に「就職四季報プラスワン」編集長を兼務。2016年から現職。
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