※画像はイメージです/PIXTA

「先輩よりも仕事ができる」と思い込み、自身で認識している能力と他者評価のあいだに差が生じている部下が周りにいませんか。そのような部下は「ダニングクルーガー効果」に陥っている可能性が高いです。特にZ世代に多いとされている心理現象であるダニングクルーガー効果ですが、もし自分の部下が陥ったらどうすればよいのでしょうか? みていきます。

部下がダニングクルーガー効果に陥ってしまったら?

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もし自分の部下がダニングクルーガー効果に陥ってしまった場合、どのように指導するべきなのでしょうか。世代間ギャップがある部下への指導には注意が必要です。対処法についてご紹介していきます。

 

「自分と向き合う時間の不足」を解消させる

ダニングクルーガー効果に陥る主な原因は、自分と向き合う時間の不足です。ひとりになって考え、反省する習慣がつけば、冷静な自分を保つ力も身に付き、正しく状況を把握できます。 自分を振り返る癖が身に付けば謙虚な姿勢でいることができ、結果的に能力と同じ自己評価を下せます。

 

メタ認知トレーニングの実施

目の前の相手と認識事項を確認する、メタ認知トレーニングの実施も効果的です。 自分の認識が正しいかどうか、質問を投げかけてもらうことなどによって客観視する方法です。 メタ認知トレーニングは、組織やプロスポーツの世界でも実践されはじめており注目されています。

 

※定義:自分が物事を認知している状態を、客観的に認知している状態

 

多様な人と関わる機会を与える

1人で仕事する時間が増えたり、同じコミュニティで過ごす時間が日常的になったりすると、1つの考え方に凝り固まってしまいます。結果的に自分を見直す機会が減り、自己評価だけが高くなる原因にもなるのです。そのためにも自分と考えが違う人や年齢が離れている人がいる他部署や先輩社員との交流機会を与え、多様な人との関わりを持たせましょう。

 

1on1ミーティングの実施

自尊心が高い人にとって他人からアドバイスされたり、指摘されたりするのは抵抗があるでしょう。 しかし、周囲の意見を認めていかなければ、視野は広がっていきません。模範となる人から吸収する機会を失い、成長の妨げとなります。 そのためにも1on1ミーティングなどの1対1で話す機会を増やし、他者の意見もすすんで取り入れる気持ちが重要であることを伝えていきましょう。

 

口頭ではなく、数字・データに基づいた指摘をする

上司が口頭でアドバイスや指摘をしても、本人の耳に届かないケースもあるでしょう。 そういった場合は、数字やデータで明確にしていけば説得力が増していきます。より論理的な情報を見れば、本人の考え方や立ち位置を見直すはずです。 客観的な指標も活用していきましょう。

 

フィードバックの習慣化

フィードバックの習慣化も対処法のひとつです。フィードバックを定期的に行っていくと、自身の考え方が広がっていきます。 結果、本来の能力を発揮できるのです。そのためにも管理者はフィードバックの機会をつくっていきましょう。また、管理者はフィードバックの際、本人に「なぜ?」と問いかけるのがおすすめです。自分で考える癖がつき、客観的な視点が身に付きます。

まとめ 

ダニングクルーガー効果は能力の低い人が自己評価を高くしてしまう現象です。ビジネスやプライベートではよく見受けられ、対処方法に困るケースも多いでしょう。主な原因は他者の意見を聞き入れなかったり、交流が減って考え方に固執したりする場合が一般的です。

 

そのためにも、メタ認知トレーニングや1on1の導入を検討するのが重要といえます。いずれも広い視野で物事の全体像を捉えられる力が身に付く手法です。 現在は採用企業が増えているのも事実。ポイントをおさえてぜひ導入を検討してみましょう。

 

 

矢野 茂樹

株式会社ワンオーワン

代表取締役社長

 

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