小中学生の不登校「24万人超」、引きこもり人口「100万人」の元凶…。“大人の都合”で行われている〈学校教育〉の実情

小中学生の不登校「24万人超」、引きこもり人口「100万人」の元凶…。“大人の都合”で行われている〈学校教育〉の実情
(※写真はイメージです/PIXTA)

自分は劣っている。自分を肯定できない…。そんな人には言えない苦悩やコンプレックスを子どもに与えているもの、それが「学力」である。上級学校に進学することが幸せにつながる?大学を出ればいい仕事に就いて成功する?本当に?未来を生きる子どもたちには、「学力」とは別次元の大切な「物差し」があることを伝えなければならない。今を生きる子どもたちとの「向き合い方」について、都立高校での校長歴・計14年、不登校の高校を改革し、退学者を半減させた経験を持つ、磯村元信氏の著書『さらば学力神話:ぼうず校長のシン教育改革』(新評論)から一部抜粋して紹介する。

校長が“思考をオフにできる”現状

「○○重点支援校」や「○○指定校」といった冠を集めれば集めるほど校長が評価されている。

 

そして、指定校が終わるとその特色も終わってしまう。よく聞く話である。

 

校長が代わると学校が変わり、その校長が代わるとまた学校が変わる。いったい誰のための学校改革なのだろうか。

 

これこそが「手段」のための改革である。繰り返そう、今こそ現場目線で生徒を第一に考えて、学校教育を見直す必要がある。

 

明治の昔から、学校は地域のランドマークだった。そして、学校教育の不易として、「地域連携」や「地域に根差す学校」というフレーズが求められてきた。それぞれ異なる地域において、目の前にいる多様な課題を抱えた生徒に何をすべきなのか、また何ができるのか。

 

生徒目線の、現場主導の、ボトムアップの教育改革が求められている現状に異論の余地はないだろう。現場主導の改革では、行政主導のものよりも多くの時間と困難が伴うことになる。

 

しかし、その時間と困難こそが教員の意識や本気度を高め、それ自体がもっとも効果的な研修となる。もちろん、時には現場を大混乱に巻きこんでしまい、管理職にとってはいばらの道になってしまうこともあるだろう。

 

一方、教育委員会からマストで舞い降りてくる施策や改革に対しては、現場の校長も教員も「はい」としか答えようがない。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

校長の立場からすれば、これほど楽なことはない。

 

自らの思考をオフにして、「これは教育委員会からの命令なのでやらなければならない」というひと言を伝えるだけですむからだ。

 

なぜ、うちの生徒に必要なのか、なぜ、うちの学校でやらなければならないのか、なぜ、今それをやるのか―それぞれに対して丁寧な説明をしたり、反対意見に対して説得するという必要がないからだ。

さらば学力神話:ぼうず校長のシン教育改革

さらば学力神話:ぼうず校長のシン教育改革

磯村 元信

新評論

学び直しは、生き直し!NHK『クローズアップ現代』などで紹介され話題。 課題集中校の元名物校長が学力神話を吹き飛ばし、真の学びの場とは何かをパワフルにつづる痛快教育エッセイ 「小学校から不登校で、発達障害も疑わ…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録