「水溶性」と「不溶性」の食物繊維の違いとは?
食物繊維を積極的に摂ることで、便秘を解消して、腸の免疫力を高めることができます。食物繊維には、大きく分けて、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」があります。
水溶性食物繊維には、大腸で分解されビフィズス菌などの善玉菌のエサになるという特徴があります。善玉菌が増えれば、腸内環境はとても良くなります。また、分解された後にはゲル状になり、水分をたくさん含むので、便がやわらかくなり便秘を解消してくれます。
不溶性食物繊維は、消化吸収されにくく、そのまま便になるため、便の量を増やすのに役立ちます。規則的でスムーズな排便には、ある程度、便のボリュームがあることが大切です。量が多ければ腸が刺激され、蠕動運動が活発になるからです。
食物繊維は消化吸収されにくく便になるため、量が増えやすいのです。このほかにも食物繊維は、コレステロールや中性脂肪、胆汁酸をからめて、便として体外へ排泄するよう働きます。これらは肥満や動脈硬化の予防につながります。
食物繊維は「根菜」から摂るのがベスト
腹持ちも良く満腹感を与えやすいので、食べすぎも防げます。食物繊維を多く含む食品を[図表]に挙げました。これを見ると野菜には水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も多く含まれていることがわかります。
しかし、野菜をたくさん摂ろうとして毎日生野菜のサラダばかりでは、そのうち飽きてしまいなかなか続かないものです。また、生の野菜は身体を冷やすもとになり、便秘がもし解消したとしても、冷えのために免疫力が落ちてしまうことが心配です。
そこでおすすめなのが根菜です。根菜は煮炊き可能なものが多く、温かく、またやわらかくして食べられますので、たくさん食べることができます。鍋や味噌汁の具にしたり、煮物にしたりなど、料理や味付けのバリエーションもあるので、毎日飽きることなく、食卓に取り入れやすいでしょう。
肉食中心の現代人の食生活では、食物繊維は慢性的に不足しています。1日3食の中で常に意識して、たくさん摂るように心がけたいものです。
[図表] 食物繊維が豊富な食材