クレームで「返品・返金」を要求されたらどうする?判断基準と「モンスタークレーマー」への対応で守るべき鉄則【専門家が解説】

クレームで「返品・返金」を要求されたらどうする?判断基準と「モンスタークレーマー」への対応で守るべき鉄則【専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

昨今、クレームの域を通り越した「カスハラ」が社会問題化しています。クレームには自社の商品・サービスの改善のヒントが眠っていることもあります。しかし、過度なクレーム・カスハラに対応する職員の精神的負担は計り知れません。本記事では、CSマナー・クレーム対応の第一人者である古谷治子氏が、著書『カスハラ・クレーム対応 最強ノート』(ビジネス教育出版社)から、カスハラ・クレーム対応の方法について解説します。

大声や暴言は「悪質クレーム」→なだめるよりも対応を打ち切る

◆大声でわめいたり、暴言を吐き続けるのはお客ではない

近年は反社会的勢力による悪質クレームは減りましたが、表立った行動が減っただけで無くなったわけではありません。加えて、普通の人が豹変したり、心の問題による怒りのクレームも急増しています。

 

よく聞かれるのが「バカ」「ババァ」と言った侮辱的発言や人格を否定するような言葉で誹謗中傷するもの。これらは迷うことなく「悪質クレーマー」です。金銭の要求や相手をなじることが目的です。

 

また、独善的な価値観や思い込みで執拗に自己主張し、「要求にはすべて応じるべき」と折れることがない「モンスタークレーマー」も。このタイプは、どんなに合理的に説明しても、納得することはありません。

 

これら悪質なクレーマーはお客様ではないので、リレーションを構築する必要はありません。業務を邪魔するだけではなく、大切なスタッフを傷つけるので、きっぱりと対応を打ち切るべきです。

 

◆できないものはできないと答える

とあるスーパーでは、商品が腐っていたから賠償しろと言う不当要求がありました。大声でわめかれ、店内が凍りついたため、店長がバックヤードに連れて行き、ポケットマネーで見舞金を渡して帰しました。

 

自腹を切った店長には気の毒ですが、これは絶対にやってはいけない対応です。前例を作ったことになり、不当要求が繰り返されます。

 

では、どうするか。やみくもにその場をおさめるのではなく、「どういったことでしょうか」と暴言、中傷の真意をただし、威圧的な言葉には対応できないと伝えましょう。

 

[図表2]クレーマーへの対応例

 

異常なまでの自己主張や長話は、職務の妨げになるとして拒否します。もし「いますぐ結論を出せ」と言われたら、社内で協議の上、書面で返答すると伝えます。

 

対応者を焦らせて攻撃するクレーマーの狙いにはのらないことです。

 

ただ、恐怖を感じる暴言や執拗な要求に冷静に対応するのは困難です。悪質とわかれば、対応者を変えるなどシフトチェンジをしましょう。対応方法をルール化して模擬訓練しておくことも備えになります。

 

 

古谷 治子

マネジメントサポートグループ

代表

 

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カスハラ・クレーム対応 最強ノート

カスハラ・クレーム対応 最強ノート

古谷 治子

ビジネス教育出版社

お客様のクレームは、自社を発展させる薬でもあれば、職員を退職へと追い込む毒でもあります。そのため正しい取扱方を学びましょう。

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