聞くことに専念してお客様の気持ちの“助け”となる
◆お客様は2種類の問題を抱えていることを意識する
クレーム対応の第1ステップは、お客様の話を引き出す段階です。
「頭が真っ白になって言葉が出ない」という方がいますが、ここではうまく話してお客様をなだめようとしなくても構いません。
話すのはお客様の方で、対応者は聞き役に回ります。
そもそも、クレームを言うお客様が抱えているのは、「事実に関する問題」だけではありません。不愉快な思いをさせられたという「感情的な問題」も抱えています。
第1ステップはこの感情問題をケアするときで、対応者が前向きに聞く姿勢を示すことで、お客様の不満は軽減されます。
ところが、気持ちを軽視して解決を急ぐと、お客様の不満は消化不良を起こします。「こっちは困っているっていうのに感じが悪い」とマイナスイメージが強まるのです。
また、話の途中で、「でも、それは」「今までそのようなことはなかった」などと反論されると、話を否定されたように受け取ってしまい、感情的になって話が長引いていきます。
これしかないという解決策を示そうとしても、お客様がなかなか聞いてくれないのは、解決策が適切か否かではなく、それ以前の感情問題を軽視されたからです。
◆全力で聞けば意外と早く進む
「すべて吐き出してもらうまで聞くのか」と、うんざりするかもしれませんが、真摯に受け止めてくれる人に対して怒り続けるのは難しいもの。一般のお客様であれば、話すことがなくなると怒りもトーンダウンします。
話を一生懸命聞くことで早く進むと信じて、耳を傾けましょう。前ページで紹介したあいづちや表情でも聞く姿勢を示しながら傾聴すれば、意外と早く怒りが沈静化していくはずです。
こうしてひとまずお客様と良好な信頼関係が築けたら、事実問題を明確にしていく第2ステップへと進みます。
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