短気で怒りっぽいお客様に切り返しや否定表現はNG
ここからはよくあるお客様のタイプについて、「良い例」「悪い例」をあげながら、対応のポイントを解説します。
まずは短気で怒りっぽいお客様からです。このタイプのお客様は、些細なことでも頭にきやすいので、切り返しの言葉や否定的な表現は禁物です。
◆悪い例
お客様:ちょっと、もう10分以上待たされてるんだけど、どうなってるの?
対応者:申し訳ございません。❶あと5分ほどで承れると思います。
(5分後)
お客様:ちょっとまだ? 5分経ってるわよ。いつまで待たせる気?
対応者:なにぶん金曜なもので、❷普段ならもっと早く対応させていただいているのですが。
お客様:さっき5分って言ったじゃない。予約してきたのに、なんでこんなに待たされるのよ。すぐやって
対応者:❸そう言われましても、ほかのお客様が長引いているようで時間がかかってしまって、❹今すぐと言われましても、ご覧のように皆さまお待ちいただいておりまして。すみません。
【NGポイント】
❶ 受付番号も確認せず、その場しのぎのあいまいな返答をしている
❷ 5分経っても案内できないことには答えず、ただの言い訳に聞こえる
❸ お客様の訴えを否定し、ほかのお客様のせいにしている
❹ お客様だけが理解していないと非難しているように聞こえる
◆良い例
お客様:ちょっと、もう10分以上待たされてるんだけど、どうなってるの?
対応者:❶10分ですか、長い間お待たせして恐れ入ります。❷〇〇番だとあと○分ほどでご案内できるかと思います。今しばらくお待ちいただけますか。
お客様:まだ待つの?予約してきてるのに。急いでるんだけど。
対応者:❸せっかくご予約いただきましたのに、③お急ぎのところをお時間いただきまして、申し訳ございません。月末の金曜で、対応に時間がかかっている状況でして、ご迷惑をおかけしております。
お客様:それはわかるけど、月末は混むんだったら、その日は窓口を増やすとかできないの?
対応者:そうですね、ご指摘のようにお待たせすることのないよう、❹必ず上の者にも伝えまして検討してまいります。❺ご不快なところをご意見までいただきましてありがとうございます。
【OKポイント】
❶ 即座に適切な部分謝罪をしている
❷ 番号を確認した上で状況を伝え、依頼形で丁寧に了解を求めている
❸ お客様の怒りに共感を示し、適切に部分謝罪ができている
❹ 改善に向けて会社としての姿勢を示している
❺ 感謝の言葉で締めくくることで、誠実な印象を与えられる
【応答の秘訣】
「できません」などの否定表現は拒絶感を与える
お客様への「NO」は、「いたしかねます」「〇〇でしたらご案内できます」といった肯定表現を使う
古谷 治子
マネジメントサポートグループ
代表