マネジメントの父・ドラッカーが「生涯改善できなかった」、出版業界で語り草となっている“編集者泣かせの弱点”【ドラッカー研究家が解説】

マネジメントの父・ドラッカーが「生涯改善できなかった」、出版業界で語り草となっている“編集者泣かせの弱点”【ドラッカー研究家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

マネジメントの父ともいわれる世界的経営学者でありコンサルタントのピーター・F・ドラッカー。彼が提唱した「ドラッカー理論」は世界的に有名ですが、じつは日本では多くの企業に“誤って”捉えられていると言います。本連載は、ドラッカー研究に50年以上携わっている二瓶正之氏の著書『徹底的にかみくだいた「自己目標管理」ドラッカーが本来伝えたかった目標管理』(春陽堂書店)を一部抜粋してお届けします。

ドラッカーの生涯から「ドラッカー理論」の根源を紐解く

本稿では、ドラッカーがマネジメントの哲学とまで言いきった自己目標管理のアイデアが、どのようにして生まれたのかをたどりたいと思います。

 

それが、自己目標管理の考え方をより正しく深く理解するのに非常に役立つからです。そして、ドラッカーの生涯における数々の出会いが、自己目標管理のアイデア形成に大きな意味をもっていたかを認識することにもなるでしょう。

 

まず、ドラッカーの家庭環境にスポットを当ててみます。

 

ドラッカーは、オーストリアの高級官僚(日本でいえば、財務省の官僚トップである財務次官)の父と当時オーストリアでは珍しかった女性精神科医(開業することなく結婚)の母との間に生まれました。弟が一人いて、ウィーン大学医学部を卒業後に、アメリカで医師となりました。

 

非常に社交的だったドラッカーの父親は毎週のように自宅でパーティーを開き、ヨーロッパの各界で活躍する著名人を招いていました。

 

官僚はもちろんのこと、政治家、小説家、脚本家、経済学者、舞台監督、舞台女優、医学者、哲学者など、多様な分野の超一流の知性が集まっていました。

 

その中には、ノーベル文学賞受賞者の文豪トーマス・マンやノーベル経済学賞受賞者のフリードリヒ・ハイエク、イノベーションという概念を創出した世界的経済学者ヨーゼフ・シュンペーターなどもいました。

 

こうした世界を代表するような著名人と父親の話の輪に、当時小学生だったドラッカーは同席を許されていました。また、父親の友人が主催する同様のパーティーにも、父親は必ずドラッカーを同伴していました。

 

こんなエピソードがあります。友人の主催するパーティーの帰り道、父親はドラッカーに「今日、おまえが握手してもらったおひげのおじさんはヨーロッパで一番偉い人だよ。今日の日を覚えておきなさい」と語りました。

 

すかさずドラッカーは「オーストリア皇帝よりも偉いの?」と聞き返しました。父親は即座に「そうだよ」と答えたそうです。そのおひげのおじさんとは、精神分析学の父ジークムント・フロイトその人でした。

 

信じられないほど豊かな家庭環境の中で、ドラッカーは互いを尊重しながら学ぶことの大切さと目標をもって一つの分野を極める生き方を間接的に学んだものと思われます。

 

この時代の経験と学びが、のちの自己目標管理の考え方の下地になったことは間違いないでしょう。少なくとも一つの分野で超一流を極めるには膨大な努力、それを支える目的・目標意識がなければ実現できないでしょう。

 

ドラッカーは父親とのパーティーでの経験で知らないうちに学んでいたことは想像に難くありません。

 

自己目標管理を進めるとき、目標を持つ大切さを認識するという意味での目標意識は極めて重要です。この意識を持てることが、目標設定場面での積極性を促します。

 

ドラッカーは、豊かな少年時代にそのことを漠然と理解したのだと思います。

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