(※写真はイメージです/PIXTA)

相続における最低限の取り分である「遺留分」。遺留分をもらう権利を持った相続人に「遺留分」を渡さなくてもいい方法はあるのでしょうか? 本記事では、遺留分を渡さずに済むための方法や遺留分を減らす方法について、相続に詳しいAuthense法律事務所の堅田勇気弁護士が詳しく解説します。

遺留分を渡さなくて済む、3つの方法

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ここからは、遺留分を渡さなくて済む方法を3つ紹介します。

 

方法1:相続人から廃除する

まずは、相続人から廃除する方法について解説していきましょう。

 

■相続人から廃除をすると、どうなるか?

相続人からの廃除とは、相手から一方的に相続の権利を剥奪することです。相続人からの廃除が認められると、相手は相続人としての権利を失います。

 

遺留分の権利は相続人であることを前提とした権利ですので、相続人から廃除されると、自動的に遺留分の権利も失うこととなります。つまり、相続人から廃除をすれば、遺留分侵害額請求をする権利も剥奪できるということです。

 

ただし、相続人からの廃除は、代襲相続の原因となる点に注意しなければなりません。たとえば、二男を相続人から廃除したとしても、二男に子(被相続人の孫)がいる場合には、二男に代わって孫が相続人となります。

 

また、孫が相続人となる場合、孫には遺留分の権利も発生します。そのため、相手に代襲相続人となる人がいる場合には、相続人からの廃除の効力は限定的なものとなるので、その点に注意しましょう。

 

さらに、相続人からの廃除は、遺留分のない相続人(兄弟姉妹や甥姪)についてはすることができません。そもそも遺留分の権利がないのであれば、その相手に財産を渡さない内容の遺言書を作成しておけば足りるためです。

 

■相続人からの廃除が認められるための要件

廃除は、相続の権利を剥奪するという非常に強い効力を持つ手続きです。そのため、廃除が認められるためには、次のような事情の存在が必要とされます。

 

・被相続人に対して虐待をしている

・被相続人に重大な侮辱を加えた

・そのほかの著しい非行があった

 

相続人からの廃除にはこのような強い理由が必要であり、単に相性が悪くて会うたびに口論になるとか、疎遠であるからといった程度の理由で認められるものではありません。

 

■相続人から廃除をする方法

相続人から廃除をするためには、家庭裁判所へ廃除の請求をする必要があります。この請求は、被相続人本人が生前に行うことも、遺言に記載して死後に行ってもらうことも可能です。なお、生前に相続人からの廃除を請求することができるのは、被相続人本人のみとされています。たとえ親族であったとしても、本人以外がこの請求を行うことはできません。

 

一方で、死後に行う場合であっても、被相続人本人による有効な遺言があることが必要です。被相続人が遺言書で廃除を求めていることが読み取れないにもかかわらず、遺言で財産を受け取る人などが、勝手に廃除を申し立てることはできません。

 

廃除をする旨が遺言に記載されていた場合には、遺言執行者が廃除の請求手続きを行うこととなります。家庭裁判所へ申し立てた結果、廃除が相当であると判断されれば、廃除がなされます。

 

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