時候を意識して見えてくる「投資のセオリー」
そして、日本においては1年のあいだに正月、節分、桃の節句、端午の節句、七夕、天皇が収穫した稲穂を奉納する新嘗祭など、様々な年中行事が執り行われている。
また、春夏秋冬の変化に合わせるように旧暦の二十四節気(にじゅうしせっき)(立春、春分、立夏、夏至、立秋、秋分、立冬、冬至など)、さらには二十四節気を約5日ずつ3つに分けた七十二候(しちじゅうにこう)という時候の節目がある。
二十四節気は古代中国から伝承されたもので、七十二候の名称は日本の季節に合うように何度か改訂され、江戸時代に暦学者の渋川春海(しぶかわはるみ)らが『本朝七十二候』を作成し、現在は1874年(明治7年)の『略本暦(りゃくほんれき)』に掲載された七十二候が主に使われている。
ちなみに筆者は「二十四節気・七十二候の歳時記カレンダー」を愛用している。日本の歳時記を意識することで身近な気づきが得られるので、塾生たちにもこのカレンダーを薦めている。
こうした時候の節目もサイクルの1つであって、先述した米座を昼ないし春から夏、金座を夜ないし秋から冬として考えると、投資の場合は、5月に売って春から夏の間は休んで、11月の大底で買うのがセオリーになっている。
日本と同様の相場感覚はイギリスにも
これと同様の相場感覚がイギリスにあって、「5月に売って秋の競馬のシーズンに帰ってこいよ」という意味合いで、「Sell in May and go away , don’t come back until St. Leger day.」という格言が使われている。
身近な気づきは日々培われるもので、四季折々の変化を体感している日本人は、元来、様々なサイクル理論に対する理解が早いというより、感性が鋭い。
四季の移り変わりに応じて暮らしてきた日本人には、独特の感性が備わっており、正月には神社に詣でて柏手(かしわで)を打ち、七夕には五色の短冊を笹竹に吊して星に願いをする。中秋の名月には月見団子を供えて月を愛でる。こうした習わしが自然に身に付いており、虫の音を聞くと「ああ秋だな」と思うのが日本人である。
市場がサイクルで動いていることは周知の事実であり、日々、指標ノートを記入することでそれを体感することができる。これを投資に活かさない手はないだろう。
渡部 清二
複眼経済塾
代表取締役塾長
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