【事例あり】「どうするネット炎上?」 企業がダメージを最小限に抑えイメージダウンを回避できた「2つの事例」【専門家が解説】

【事例あり】「どうするネット炎上?」 企業がダメージを最小限に抑えイメージダウンを回避できた「2つの事例」【専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

インターネットの普及に伴い情報が正誤に関係なく急速に拡散する現在では、どの企業にも「炎上」のリスクがあります。本記事では、スタートアップから多国籍企業までさまざまな企業のPR・マーケティングを支援してきた株式会社ビーコミの代表取締役・加藤恭子氏が、著書『話題にしてもらう技術~90.5%の会社が知らないPRのコツ』(技術評論社)から、炎上への備えと、炎上が起きてしまった場合の対応について解説します。

炎上対応のマニュアルと体制を用意しておく

実際に炎上すると、パニックになって、冷静な判断ができなくなった結果、火に油を注ぐことになりかねません。詫びたつもりが「お詫びになっていない」などとさらに叩かれるケースもよくあります。

 

知識のない企業がやりがちなのは、問題となった内容を何の説明もせずに削除することです。削除すれば解決しそうに思えるかもしれませんが、これは一番やってはいけない方法です。

 

たとえば消したツイートは閲覧者によってすでに保存されていて、「こんなツイートを説明もなく消している、信頼のおけない企業である」と、消したはずのツイート画面とともに投稿されることになりかねません。

 

消す場合も、消す理由などの公式な説明が必要です。

 

まずは平時の「冷静」な時に、炎上したらどう対応するかを決めておくことが大事です。具体的には、次のようなことです。

 

・他社の炎上例を収集し、公開情報を参考に鎮火までのプロセスを整理しておく

・整理した情報を利用し、社内研修を実施しておく

・炎上した会社の業種や業態、規模など、自社との類似度をチェックする

・炎上例をふまえて、「どうすれば炎上しなかったと思うか」「自分だったらどのように対応するか」についてディスカッションする

・炎上の兆しを見つける仕組みを用意しておく(後述するソーシャルリスニングツールを利用する)

・社員が炎上の兆しを見つけたら担当者に連絡する体制を決めておく

・すぐに説明やお詫びを公開できるよう、更新が容易な公式サイトを用意しておく(公式Twitterでは短文しか載せられず、説明が不十分になります。公式サイトの新着情報ページは、通常は外部の協力会社に任せていたとしても、担当者レベルでも更新可能な仕組みを取り入れておくと急な対応が可能となります)

・避難訓練などのように「社長の不適切発言で炎上した」などの想定で一連のリハーサルをおこなっておく(年次で、社内研修でおこなうなど)

・お詫びのプレスリリースを書いてひな型を用意しておく

 

炎上対策として、炎上対策やリスク管理に強いPR代理店と契約を結んでいるところも多くあります。過去にいくつかの炎上を乗り越えてきた企業のPR担当を採用するケースも多く聞きます。

社長がTwitterをやらなくてもいい

インターネットがPRに役立つからといって、ネットに不慣れな社長が無理にTwitterを頑張る必要はありません。経営スキルとインターネットコミュニケーションスキルは別です。だれもが孫正義さんや前澤友作さんのような情報発信ができるわけではないのです。

 

社長がTwitterで情報発信をする場合は、PR担当が書いていいこと、悪いことをレクチャーしたり、内容が客観的にどう見えるかを伝えるような仕組みが必要です。

 

話題になることを狙って炎上スレスレの内容を発信するケースもあるようですが、上級テクニックで非常に危険です。これからPR活動を始める初心者なら避けたいところです。

 

もちろん、皆が同じ意見を書いても当たり前すぎて読んでもつまらず、刺激もないわけで、少し過激な意見は多く読まれるわけですが、リスクもあることを事前に知っておきたいところです。

 

特に、企業の看板を背負っての発信は注意が必要です。

 

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話題にしてもらう技術~90.5%の会社が知らないPRのコツ

話題にしてもらう技術~90.5%の会社が知らないPRのコツ

加藤 恭子

技術評論社

モノがよければ注目されるわけではない。 情報を発信するだけでは届かない。 「プレスリリースを出したけど反応ゼロ」 「お金をかけたのに全然メディアに露出できない」 「取材でテレビに出れたけど売上につながらない」 …

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