日本の税制、社会保険制度における「5つの壁」とは
日本の税制(所得税)、社会保険制度においては、5つの「~万円の壁」があります。それぞれがどのようなものか簡潔に表現すると、以下の通りです。
【所得税等の税制に関する壁】
・「103万円の壁」:年収103万円を超えると配偶者控除の対象から外れる(ただし「配偶者特別控除」の対象)
・「150万円の壁」:年収150万円を超えると段階的に控除額が減る(配偶者特別控除)
・「201万6,000円の壁」:年収201万6,000円を超えると「配偶者特別控除」の対象から外れる
【社会保険制度に関する壁】
・「106万円の壁」:社会保険法上、年収106万円を超えると社会保険料の支払い義務が生じる(従業員100人超の事業所・雇用期間2ヵ月以上の労働者)
・「130万円の壁」:社会保険法上、年収130万円を超えると配偶者の扶養から外れる
なお、このうち「106万円の壁」については、対象となる企業の規模の要件が2024年10月から「従業員数50人超」にまで拡大される予定です。
「壁」の問題点
これらの「壁」には以下の2つの問題があります。
1. 最低賃金が引き上げられてきたのに「壁」は動かず
2. 「壁」が女性の社会進出を妨げている