職場に「置きサプリメント」?「置き入浴剤」まで…。イマドキの職場の健康対策、その効果は?

職場に「置きサプリメント」?「置き入浴剤」まで…。イマドキの職場の健康対策、その効果は?
置き薬は長く続いてきた。

企業が従業員の健康を気遣い、手厚い福利厚生を設けたり、デジタルデバイスを利用して体調を管理させたりする事例が相次いでいる。少子・高齢化を背景とした人手不足が深刻となっていることや新型コロナウイルスの感染拡大などが背景にある。国連が2015年に採択したSDGs(持続可能な開発目標)では、「すべての人に健康と福祉を(目標3)」、「働きがいも経済成長も(目標8)」を掲げている。企業は自社のブランディングの一環としても従業員の健康サポートを充実し、目標を達成しようとしている。この連載では、全国で法人向けの出張マッサージサービスを手掛ける株式会社イーヤス(名古屋市)の遠藤基平社長が、その経験をもとに「健康SDGs」を実践する企業を紹介し、その意義を具体的に解説する。

 

「置き入浴剤」で健康増進と残業時間の削減の一石二鳥

日本では住宅数に対し95.5%以上の家庭に浴槽が普及しているそうです。町に銭湯があったり、温泉旅行をしたりと「風呂」は日本人にとって身近な存在です。入浴の習慣を活用し、健康を増進してきた面もあります。

 

しかし、資本主義や市場経済の台頭、国際競争の激化などを受けて、現在の会社員の忙しさやストレスは増しています。かつては多くの人たちが時間をかけて入っていた風呂でしたが、シャワーで済ますケースも多くなりました。毎日の入浴という良き伝統が失われつつあることから、疲労やストレスが解消できず蓄積している会社員も増えているようです。

 

湯船につかるという日本人の習慣に着目し、働く人の健康を促進させようという企業も出てきました。システム開発企業のT社は2020年に「置き入浴剤」サービスを導入しました。社員に若いエンジニアが多く、健康意識が低いことが課題となっていたからです。

 

システム開発企業の社員は、長時間のデスクワークで肩こりや腰痛を訴える社員が多いのが課題です。特に労働時間の長くなりがちな若い社員の場合、シャワーで済ませることも多く、仕事の疲れがとれていないという懸念がありました。社員の疲労が蓄積していけば、有能な人材の離職にもつながるリスクがあります。

 

置き入浴剤を導入した結果、置き入浴剤の利用が想定以上に多く、社員が湯船につかる日が増えたそうです。風呂に入るために残業を早めに切り上げることもあり、サービス導入後は残業時間が減少傾向になっています。社員の家族も残業が減って喜んでおり、「T社は社員だけでなく、その家族も大事にする」という良いメッセージになったそうです。

《最新のDX動向・人気記事・セミナー情報をお届け!》
≫≫≫DXナビ メルマガ登録はこちら

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録