「置き入浴剤」で健康増進と残業時間の削減の一石二鳥
日本では住宅数に対し95.5%以上の家庭に浴槽が普及しているそうです。町に銭湯があったり、温泉旅行をしたりと「風呂」は日本人にとって身近な存在です。入浴の習慣を活用し、健康を増進してきた面もあります。
しかし、資本主義や市場経済の台頭、国際競争の激化などを受けて、現在の会社員の忙しさやストレスは増しています。かつては多くの人たちが時間をかけて入っていた風呂でしたが、シャワーで済ますケースも多くなりました。毎日の入浴という良き伝統が失われつつあることから、疲労やストレスが解消できず蓄積している会社員も増えているようです。
湯船につかるという日本人の習慣に着目し、働く人の健康を促進させようという企業も出てきました。システム開発企業のT社は2020年に「置き入浴剤」サービスを導入しました。社員に若いエンジニアが多く、健康意識が低いことが課題となっていたからです。
システム開発企業の社員は、長時間のデスクワークで肩こりや腰痛を訴える社員が多いのが課題です。特に労働時間の長くなりがちな若い社員の場合、シャワーで済ませることも多く、仕事の疲れがとれていないという懸念がありました。社員の疲労が蓄積していけば、有能な人材の離職にもつながるリスクがあります。
置き入浴剤を導入した結果、置き入浴剤の利用が想定以上に多く、社員が湯船につかる日が増えたそうです。風呂に入るために残業を早めに切り上げることもあり、サービス導入後は残業時間が減少傾向になっています。社員の家族も残業が減って喜んでおり、「T社は社員だけでなく、その家族も大事にする」という良いメッセージになったそうです。
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