企業にとって、どのような逆境・アクシデントに見舞われても生き残っていくことは至上命題です。金融機関で数多くの企業の融資業務に携わった経験をもち現在は行政書士として活躍する黒木正人氏が、著書『企業の持続性を見極める 決算書の読み方と業種別のポイント』(ビジネス教育出版社)から、企業の持続性を高めるための戦略を考えるうえで役に立つ「アンゾフの成長マトリクス」について解説します。
多角化戦略のメリット・デメリット
多角化戦略は、ほとんど経験のない新市場に、売れるかどうかわからない新製品を投入するためリスクの大きい戦略です。またマーケティングのコスト、製品・サービスの開発コストがかかるなどのリスクもあります。
この戦略は、リーマンショックやコロナ禍などの大きな経済変動によって売上が消滅するなどの状況下で、リスクがあっても新しい収益源を求めざるを得ない時などに取られるハイリスク・ハイリターンの戦略です。
中小企業は、平時の経済環境では、この戦略はあまり取らない方がいいかもしれませんが、ポストコロナの時代では例外です。
ポストコロナの時代は、事業環境の激変によりビジネスモデルの転換、新たなビジネス開発、事業再構築を考えている企業も多いと思いますが、企業の持続性を高めるためには必要な戦略です。
このようにアンゾフの成長マトリックスを活用して、企業の持続性を高める戦略を考えることはとても重要なのです。
黒木 正人
黒木正人行政書士事務所
行政書士・宅地建物取引士・ファイナンススタイリスト
黒木正人行政書士事務所
行政書士・宅地建物取引士・ファイナンススタイリスト
1959年2月16日生まれ 明治大学法学部法律学科卒業
1982年4月 ㈱十六銀行入行、事業支援部長、十六信用保証㈱常務取締役
2012年4月 飛騨信用組合入組、常務理事、専務理事、理事長
2021年6月 黒木正人行政書士事務所所長、TACT高井法博会計事務所会長補佐、すみれ地域信託㈱取締役、ミネルヴァ・サービサーシニアアドバイザー、中小企業庁岐阜県よろず支援拠点コーディネーター
・著作
『経営者保証ガイドラインの実務対応に強くなる」(ビジネス教育出版社、2014年)、『マンガ融資渉外キヅキ旅」(2022年)『新しい融資債権管理・回収の進め方」(2020年)『支店長が読む 融資をのばすマネジメント」(2017年)『営業店担当者のための債権回収の強化書」(2013年)『取引先再建のための資金繰り改善アドバイス」(2012年)(以上、近代セールス社)、『〔新訂第2版〕担保不動産の任意売却マニュアル」(2013年、新訂版2011年、 改訂版2008年、初版2006年)『担保不動産と管理・回収の実務」(2009年)『事業承継の相談事例」(2007年)『わかりやすい融資実務マニュアル」(2007年)(以上、商事法務)、『地域の企業再生の実務」(共著・2011年)『債権保全と回収の実務」(2010年)(以上、三協法規出版)ほか多数
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連載企業の持続性を見極める 決算書の読み方と業種別のポイント