ビジネス立ち上げ時に、ブランディングを実装する方法
WHY、WHY……と言い続けてきましたが、こうなると気になることは、「じゃあ実際はどうやるの?」ということかと思います。大きく下記の2つのポイントをもって新規ビジネスのプロジェクトを立ち上げ、WHYを明確化する必要があります。
1.新規事業開発コアメンバーだけでなく、たとえばマーケ部、広報部、技術開発部、商品・サービス企画部など、新規事業に関係する部署から成る連帯チームを編成すること
2.編成した連帯チームに私たちがファシリテーターとして加わり、ワークショップやディスカッションを行いながら対話を通じてWHYを明文化・可視化すること
つまり、連帯チームで全員の意見とアイデアを持って、人々や社会がどのようなインサイト(潜在的な望みや課題など)を抱えていて、それらに対して自分たちのビジネスはどのような価値を提供できるのか、を考えるのです。
こうすることで、偏りのない多様な視点からWHYを検証できるようになります。そしてさらに重要なことは、部門を横断してワンチームになることで、より効率的かつ熱量のある新規ビジネス推進が可能になる、ということです。
WHYを明確化するプロセスで、連帯チームメンバー全員が新規ビジネスの根源的かつ濃密な内容に触れながら、対話と理解を重ねることになります。
そのため、メンバー、1人ひとりのなかでビジネスが自分ゴト化され、さらに部門をまたいだメンバー間で生まれる信頼関係が、社内のシナジー創出につながるのです。結果的に、新規ビジネスは効率と熱量を獲得し、加速するのです。
さらにWHYを明文化・可視化することで、抽象的だった概念が具体的で手触り感のあるものになり、より活動に定着させやすいものとなります。
コアとなるWHYを明らかにしながら、ビジネスそのものをドライブできる。つまり、二重の側面から新規ビジネスに力を与えることができる。それがこのブランディング手法の最大のメリットです。
筆者は実際に新規ビジネスに魂が宿り、血が通う、そんな瞬間を目撃してきました。ビジネスを動かしているのは結局は「組織(チーム)」であり、さらに突き詰めれば「人」であり、その人の「想い」です。WHYとビジネスを動かす人。新規ビジネスにおいて、この2つの観点をしっかりと押さえることが、成功・躍進への第1歩なのです。
まとめ
新規ビジネスにおけるブランディングの重要性、こと「WHYを明確化(明文化・可視化)すること」とビジネスに関わる「人にフォーカスを当てること」の重要性をお伝えしてきました。ただし、これらはあくまで「最重要なファーストステップ」なのであって、その先にある戦略や戦術に定着させていくことを忘れてはいけません。
WHYというコアを持ちながら、ブレなくビジネスをデザインしていくこと、活動を行っていくことで、強いビジネス、強いブランドは醸成されていくのです。
皆さんの新規ビジネスのWHYは……「存在意義・理念」「提供価値」「ビジョン」はなんですか? ぜひ、一緒に考えていきましょう。
稲葉 大智
株式会社YRK and
ブランドコンサルティングDiv.大阪
ブランドコンサルティング コンサルタント
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