経済は「日本がアメリカを支えている」
矢作:社会人になってからのことですが、世界というものを見ていて私が不思議に思ったのは、経済はなぜ、評論家はもちろん世間で言うようなかたちで動いていないのか、ということでした。
世界の支配構造というものを知るようになり、単純に言えば経済では日本がアメリカを支え世界を支えているのだということがわかってきたなかで、ならば、その実務に携わっている人が当然いるだろうと考えたわけです。その実務家に話を聞けば、いろいろなことが明らかになるはずです。
実務家は、本来なら財務省といった省庁のなかにいるのだろうと思っていました。しかし、アメリカのようなタフな国を相手にするのであれば、もっと言えば、FRS(FederalReserve System、連邦準備制度。アメリカの中央銀行にあたる制度)やFRB(FederalReserve Board、連邦準備理事会。FRSの最高意思決定機関)のあり方を見る限りフリーメイソンとしてしまった方がいいと思うのですが、それを相手にするのであれば、それにふさわしい相方が日本のなかにいなければいけないことになります。
政治家で言えば田中角栄のように頭がよく胆力のある人ということになるのでしょうが、役人のなかにそんな人がいるのかな、とずっと疑問に思っていました。
実際に大向うを相手にしている実務家はどこにいるのか、探し続けていたところに、ある人を介してお会いしたのが、これから一緒に話を進めていく宮澤信一さんでした。東大病院に勤務していた頃のことです。
宮澤:よろしくお願いいたします。私は日本で生まれまして、主にイギリスで研鑽を積み、今は国際機構や国際金融などで様々な国々の折衝(せっしょう)に努めています。
国際間の条約には機密事項が多く、その詳細を語ることはできませんが、ドクター矢作のお言葉を借りると、私には「実務家」という肩書が最もあてはまるでしょう。可能な限り、有益な情報を読者に提供していきたいと思います。
また、「フリーメイソン」や「イルミナティ」と言うと、日本では都市伝説のように語られがちですが、私は実際に彼らを間近で見てきました。彼らがどのように世界を動かしてきたのか、そして統べてきたのか。日米同盟やロシアのウクライナ侵攻を軸に、実務的な分析を提示していきたいと思います。
矢作:私が世界の動きについて講演をしたり、なにか書いたりする時には宮澤さんに連絡をして裏をとることにしています。
もちろん守秘しなければならない部分は除いていらっしゃるわけですが、私にとって必要なところを可能な限り明かしてくれているようです。
宮澤さんの話には公益性があります。おっしゃることに論理性があり、その論理は私の理解にフィットしています。そして、なによりも教養人であるところがいいですね。
イギリスで研鑽を積まれたそうで、深い教養をお持ちです。ここで言う教養というのは、国を動かしていくという視点での、総合的な知識・考え方としての教養です。