(※写真はイメージです/PIXTA)

戦後GHQがつくりあげた均一的な教育制度の影響などもあり、「論理思考」ができないといわれる日本人。しかし、東京大学名誉教授の矢作直樹氏は、「江戸時代の日本人は論理思考ができていた」といいます。それはなぜか、矢作氏と世界の金融や国際協議の実務にかかわる宮澤信一氏が、歴史を紐解きながら日本人にいま求められる考え方を論じます。

現代社会で生きるのが大変な“日本人の性質”

【矢作】私たち日本人は、もともと情緒的で情報リテラシーが低いという特徴があります。

 

幕末維新までに、他国から攻め込まれ、国の存亡が危うくなったのは元寇だけです。総じて、お上の言うことを聞いていれば生きていけたため、自分でものを考えず、他者にぶら下がる性質があります。

 

論理的思考の基本である、広く深く情報を取り、俯瞰的に見て総合的に考え、合理的に判断する、ということが苦手です。今回の新型コロナウイルス騒動でも、簡単に政府・厚生労働省・メディアなどの情報操作に引っかかり、思考停止し、洗脳され、短絡行動に走りました。

 

しかも一旦引っかかると状況に応じて臨機応変に行動修正することができません。これでは今の情報世界でしっかり生きていくのは容易ではありません。

 

【宮澤】そこは考えないでおこうとか、考えない方が楽だとか、大事なところで逃げてしまうところがありました。

 

【矢作】大切なのは論理思考だと思います。霊性が高かった縄文の時代を経て、この三千年は、思考のトレーニングを行うという人類の進化を受け入れるというので縄文人は世界中から移動してきた人々との混血を行いました。そのことを途中で忘れてしまったんでしょうね。

 

特に近現代と称する明治維新以降の劣化が激しいと思います。江戸時代は、ある意味で論理思考です。

 

江戸時代の日本人は「論理思考」ができていた?

【矢作】例えば和算の関孝和が出て、微積分などは世界に先駆けています。現在と比較してひとり当たり40分の1のエネルギーで江戸というあれだけの都市を発展させました。エコロジカルな生活システムが世界で最も進んでいたわけです。

 

論理思考のできる人が、ほんのちょっといればいいのです。例えば体の全部が頭(脳細胞)だったら生物は生きていけません。脳細胞はちょっとでいい。

 

今の日本のアカデミズムは名前こそアカデミズムですが、西洋のアカデミズムとは似て非なるものです。体制が俯瞰的ではなく、いわゆるリーダーを育てる仕組みを持ちません。つまり、西洋のような意味での国の頭の働きをする人をつくる役割を果たしていません。

 

戦前はましだったといっても、海軍は物量戦だから科学の発想がないとできないでしょうけれども陸軍はどうだったか、ということになると思います。

 

例えば1939年に起きたノモンハン事件などは大変なものでした。日本軍が惨敗した、モンゴルと満洲との国境地区で起こった日本軍とソ連軍の大規模な衝突事件です。

 

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    ※本連載は、矢作直樹氏と宮澤信一氏の共著『世界を統べる者 「日米同盟」とはどれほど固い絆なのか』(ワニブックス)より一部を抜粋・再編集したものです。

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