申告期限〈3月15日まで〉だが…「確定申告」していない人は多い!?知っておくべき「期間を過ぎた場合」の対処法【税理士が解説】

申告期限〈3月15日まで〉だが…「確定申告」していない人は多い!?知っておくべき「期間を過ぎた場合」の対処法【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

一定のお金を稼いでいる人は確定申告をしなければなりません。しかし、確定申告をしてない人が多いという噂を耳にすることもあります。実際のところ、確定申告をしていない人は多いのでしょうか? また、申告しなかった場合のリスクや、確定申告を忘れていた場合の対処法を見ていきましょう。企業や個人の確定申告をサポートしている税理士法人松本が解説します。

「確定申告してない人は多い」って本当?

■確定申告をしてない人が多いかどうかは「不明」

確定申告をしてない人がどのくらいいるのかは、実際のところ分からないのが現状です。それは確定申告をしてない人の数を把握するための調査が行われていないためであり、仮にそのような調査を行ったとしても、確定申告をしていない人が自ら無申告状態を調査で告白するとは考えにくいでしょう。

 

確定申告をしてない人が多いという話は、実際には確かめられていません。しかしながら、そのような噂が流れる背景には、みんながやっている違反であれば罪の意識も薄まり、自分が違反してもきっと自分だけバレることはないから安心だと考える方が多いという実情があるのではないでしょうか。

 

確定申告をしてない人が多いからといって、確定申告をしなくてもよいわけではなく、違反者が多いからといってペナルティが軽くなるものでもないことを理解しておきましょう。

 

■ただし、確定申告をしてない人が「バレる」ケースは多い

確定申告をしてない人が多いかどうかは分かりません。しかし、税務署では確定申告をしてない人に対し、厳しい調査を実施しています。令和3事務年度においては、所得税無申告者に対して3,828件もの税務調査が行われています。海外投資をしている人やインターネット取引を行っている人に対する税務調査にも力を入れているため、確定申告をしてない人が多いとしても、税務調査によって無申告状態がバレる人も多くなっていると考えることができます。

 

また、マイナンバーも導入されたことなどから、以前に比べると確定申告をしてない人が容易に発覚しやくなったとも考えられます。いずれにしろ、確定申告をしていない人が多い状況であっても、絶対に無申告がバレないという確証はありません。

 

参照:国税庁「令和3事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」(https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2022/shotoku_shohi/pdf/shotoku_shohi.pdf)

 

確定申告をしていない場合のリスク

確定申告をしていないと何が問題なのでしょうか。

 

■ペナルティとして「本来の税額以上」を支払う義務が発生

確定申告をしてないということは、本来納めなければならない税金を納めていないということです。正当な理由なく確定申告書を提出しなかった場合は、所得税法や法人税法などで1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性があると示されています。また、確定申告をしていない場合は、本来納めるべき税額に加えて、無申告のペナルティである無申告加算税をプラスした税額を支払う義務が生じます。

 

つまり、確定申告をしてない人には本来の税額以上に高い税金を支払わなければならないリスクがあるということです。無申告加算税は、原則として、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額となります。

 

また、確定申告の必要性を認識していたにもかかわらず、意図的に確定申告をしていなかったと判断された場合は、無申告加算税に代わり、より税額が高くなる重加算税が加算されます。重加算税の税額は、納付すべき税額に対して40%となります。

 

■確定申告を忘れたときは「期限後申告」を

確定申告をしていない、確定申告を忘れていたという方は、早めに期限後申告をしましょう。期限後申告とは、確定申告の時期を過ぎて行う申告のことです。本来、確定申告は2月16日から3月15日までの間に前年の1月1日から12月31日までに生じた所得についての申告をするものです。しかし、この期限内に確定申告を忘れた場合、遅れて確定申告を行うことを期限後申告といいます。

 

期限後申告は、税務調査が入る前に自主的に行うケースと税務調査で指摘を受けた後に行うケースの2つのパターンがあります。このうち、先ほど紹介した本来納付すべき税額の50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合の無申告加算税が適用されるのは、税務調査で指摘を受けた後に期限後申告を行うケースです。税務調査前に自主的に期限後申告をした場合の無申告加算税の税率は、本来納めるべき税額の5%に軽減されます。

 

税務調査の前に期限後申告をすれば、追徴税額を抑えることができます。確定申告を忘れたときには、早めに期限後申告をしましょう。

まとめ

確定申告をしてない人は多いのかどうか、本当のところは分かりません。しかしながら、確定申告をしてない人が税務署にバレるケースが多いのは事実です。税務署はさまざまなルートから情報を集め、確定申告をしていない人に対する調査を強化しています。それは、確定申告をしてない人が税金を納めずに得をしてしまうようであれば、真面目に納税をしている大多数の納税者との間に不公平が生じるためです。

 

もし、確定申告を忘れていたようであれば、税務調査が入る前に自主的に期限後申告をしましょう。期限後申告の方法に不安がある場合は、経験豊富な税理士に相談することをおすすめします。

 

 

税理士法人松本

税務調査特化税理士法人として全国6ヵ所(渋谷、錦糸町、新宿、横浜、柏、大阪)にオフィスを構え、“成功報酬型”税務調査サポートを提供する税理士事務所では国内No.1の規模を誇る。
国税局に勤めていた、いわゆる「国税OB」が複数名所属。
税務調査相談実績は累計1000件以上。一般業種より税務調査が厳しいと言われる風俗業界の税務に10年以上特化し、追加徴税額ゼロ円の実績も多数。

 

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※本記事は、税理士法人松本のブログより転載したものです。

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