認知症の80代男性、脳梗塞に肺炎で家族「もう、むりか」…医師の助言で起きた“小さな奇跡”【事例紹介】

認知症の80代男性、脳梗塞に肺炎で家族「もう、むりか」…医師の助言で起きた“小さな奇跡”【事例紹介】
(※写真はイメージです/PIXTA)

要介護度5の80代男性Cさん。脳梗塞に加え、誤嚥性肺炎で口からの食事ができなくなり、認知症も進んでいます。慢性期病床を退院せざるを得なくなりましたが、家族はフルタイムで働いており、自宅での介護は困難……。そこで家族は、筆者のクリニックに「在宅医療」の相談をしました。半年後、Cさんに起きた小さな奇跡とは? ねりま西クリニックの大城堅一院長が解説します。

在宅医療で回復…Cさんも口からの食事に「意欲」

患者本人・家族の感想

まだ訓練の途中ではありますがCさんも再び口から食べることに意欲を見せてくれています。娘さん、息子さんは家族の希望に応じて嚥下機能評価や嚥下訓練が進められていることをとても喜び、お茶やコーヒーなどの飲料、アイスクリームやゼリーといったものだけでも一緒に口にできる日がくればと楽しみにしています。

 

主治医の解説

寝たきりに近く認知症もあるCさんは誤嚥性肺炎のリスクがあるので、口から食物を取るのは危険ではあります。ただ嚥下機能評価をしたところ訓練次第で一定の機能回復は見込める可能性があると判断し、訓練を始めているところです。

 

高齢者向け住宅で生活しているCさんの場合、嚥下の訓練には施設のスタッフの協力も欠かせません。施設と緊密に連携し、安全に十分に注意をしながらCさんが口から食べる楽しみを取り戻せるように支援を続けていきます。

 

 

大城 堅一

医療法人社団星の砂 理事長

ねりま西クリニック 院長

 

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※本連載は、大城堅一氏の著書『自宅で死を待つ老人たち』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

自宅で死を待つ老人たち

自宅で死を待つ老人たち

大城 堅一

幻冬舎メディアコンサルティング

最期まで充実して「生きる」ために 超高齢社会における在宅医療の 新たな可能性を説く―― 在宅医療は“ただ死ぬのを待つだけの医療"ではない。 患者が活き活きと自宅で過ごし、 外来と変わらない高度な医療を受けられ…

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