「責任をもてないから、受け入れられない」…在宅医療、病院側の複雑な事情【医師が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

超高齢社会の昨今、自宅で診察や治療が受けられる「在宅医療」のニーズは高まるばかりです。しかし、需要が高まるなかでもなかなか普及しない背景にはワケがあると、ねりま西クリニックの大城堅一院長は指摘します。日本の医療業界が抱える複雑な事情をみていきましょう。

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医師同士や多職種との連携の難しさ

在宅医療における関係機関との連携の難しさは大きな課題です。

 

在宅医療では病院から退院時に在宅に移行する、あるいは在宅で療養していて急変したときに入院病床を確保するなど、地域の医療機関との連携が欠かせません。

 

また在宅患者に24時間対応をするには複数の医師が連携する必要がありますし、診療について専門の異なる医師にアドバイスを求めることもあります。こうした医師同士の連携も非常に重要です。

 

さらに高齢者の大半は、要介護認定を受けている介護保険サービスの利用者でもあります。在宅での生活を支援する訪問看護師や介護士、ケアマネジャーといった看護・介護分野の専門職との連携も不可欠です。

 

こうしたさまざまな関係機関・関係者との連携がなければ、生活の場で高齢者を支える切れ目のない支援は実現しません。地域の関係機関が手を組んでチーム一体となって高齢者を支えるのが、地域包括ケアシステムの基本的な考え方です。

 

しかし現実には、こうした地域の連携・ネットワークが必ずしもうまく機能しているわけではありません。

 

行政も地域包括ケアシステムや在宅医療に関するセミナーを開催するなどして、地域の関係者が連携するための下地づくりをしています。しかしながら実体は、それぞれの在宅医療クリニックが個別に動いて病院や介護保険事業所と関係づくりをしているため、連携先や連携体制は、クリニックによって量的・質的に差が生じています。

 

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    医療法人社団 星の砂/ねりま西クリニック 理事長/院長

    1966年生まれ。沖縄県出身。大学卒業後、大学病院や関連病院で研鑽を積み、離島にて無医村での診療を経験。2005年より在宅医療に携わる。
    その後、医療・介護の融合をめざし、2011年にねりま西クリニックを開業。離島医療や在宅医療での経験を活かし、患者一人ひとりの希望に合わせた総合的な医療を提供している。

    著者紹介

    連載離島にて無医村での診療も経験した医師が提言!新たな在宅医療のロールモデル

    ※本連載は、大城堅一氏の著書『自宅で死を待つ老人たち』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

    自宅で死を待つ老人たち

    自宅で死を待つ老人たち

    大城 堅一

    幻冬舎メディアコンサルティング

    最期まで充実して「生きる」ために 超高齢社会における在宅医療の 新たな可能性を説く―― 在宅医療は“ただ死ぬのを待つだけの医療"ではない。 患者が活き活きと自宅で過ごし、 外来と変わらない高度な医療を受けられ…

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