偏差値を問題点をしっかり把握する
2016年度と比較すると、受験者数が400人ほど増え、合格者は40人ほど減りました。倍率も5.3倍から7.8倍とジャンプアップしています。それにもかかわらず、偏差値は据え置きのまま。つまり、この偏差値62.5は、限りなく65に近い62.5なのです。
したがって、当時の私は、2018年度の入試も志願者の増加は避けられないと感じていました。表面上の偏差値だけを見れば、国語国文学科は入りやすそうな学部ですからね。
結局、当初の目論見どおり、2018年度も受験者数は150人ほど増えて合格者数は20人ほど減らされました。倍率も9.1倍となり、偏差値も2018年度の最終入試結果を受けて65に上がりました。
もう一例挙げましょう。
偏差値による志願者の増減は、同志社大学でも同様に起こっていました。
その模試の公表偏差値が高かった学部学科の受験者数はほぼ横ばいか微減して、偏差値が据え置きか下がる学部が多かったのに対し、低かったほとんどの学部学科の受験者数は増加し、偏差値が軒並み上がりました。
私は同志社大学を4回受けて3回受かりましたが、唯一落ちた学部は、予備校が公表していた偏差値が55で、比較的低かった文化情報学部でした。
私が一番行きたかった文学部の国文学科は個別日程で60、全学部日程で62.5でしたが、最終入試結果を受けてどちらも60になりました。
文学部はどちらの日程も合格しましたが、55だった文化情報学部の個別日程も偏差値が5も上昇して60になり、国文学科と同じになってしまったのです。合格最低点に至っては、2017年度は30点ほどの差があったのに国文学科と逆転してしまいました。
他学部に目を向けると、社会学部の社会福祉学科は全学部日程の偏差値が10も上がり、52.5から62.5になっています。この超難化の裏には志願者数の変動が大きく影響しています。
2017年度の志願者は112人でしたが、なんと2018年度には227人と倍増していたのです! それを受けてか、最低合格点も40点程度上がっています。
おそらく「52.5」という偏差値を見て、志願した層が多いのでしょう。私学助成金削減問題があった年なのでここまで偏差値が急上昇しているわけですが、いかに大勢の人が、該当する模試の予備校の偏差値を信用しているかがうかがえます。
これらの例から、偏差値の表面だけ見て出願するのが、いかに危険かが伝われば幸いです。
濱井 正吾
9浪はまい
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