堅調な株価推移が続く「中流エネルギー・インフラ」
世界的にインフレが進行するなか、東京海上アセットマネジメントは、高い参入障壁等により一定の地域においてモノ・サービス等を独占・寡占していると考えられる「モノポリー企業」に注目しています。今回は、一般的に参入障壁が高いインフラ・公益企業のなかから、「中流エネルギー・インフラ」のトピックをご紹介します。
【本記事のポイント】
・ロシアのウクライナ侵攻、インフレの高止まりや金利上昇懸念等、さまざまな不透明要素が渦巻くなか、米国のエネルギー生産拡大等を背景に、北米の中流エネルギー企業の株価は堅調に推移。
・北米の中流エネルギー企業は好調な事業環境を背景に、安定したキャッシュフロー獲得が期待。
・北米の中流エネルギー企業の配当利回りは、米国金利が上昇するなかで相対的に高い水準。また、EV/EBITDA倍率は過去平均と比較して下回る水準にあり割安な水準。
北米のエネルギー・インフラ企業で構成されるアレリアン中流エネルギー指数は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、大きく下落しましたが、社会・経済活動の正常化が進み、エネルギー需要が回復に向かい上昇傾向となっています。
ロシアによるウクライナ侵攻、インフレの高止まりや金利上昇懸念など、さまざまな不透明要素が渦巻くなかでも、2022年初からの中流エネルギー企業のパフォーマンスを見てみると、堅調に推移しています。中流エネルギー企業は、堅調な業績を上げており、今後も良好な収益環境が続くことが考えられ、堅調に推移していくことが期待されます。
パンデミックから回復…活況を呈する米エネルギー生産
エネルギー価格の上昇や掘削活動の回復、ロシア産ガスの代替としての米国の液化天然ガス(LNG)の需要増加などを背景に、米国の原油・天然ガス生産量は増産基調となっています。
米国の原油生産はコロナ禍前の水準を下回っているものの、米エネルギー情報局(EIA)は短期エネルギー見通しで、原油生産が22年の日量1,186万バレルから23年には1,241万バレル、24年には1,281万バレルに増加すると予想しています。また、米国の天然ガス生産は、コロナ禍前の水準を上回り、過去最高を更新しています。