コイン2枚を投げて「2枚とも表」になる確率は何%か?うっかり間違えがちな「確率」の基礎知識

コイン2枚を投げて「2枚とも表」になる確率は何%か?うっかり間違えがちな「確率」の基礎知識
(※写真はイメージです/PIXTA)

AIの発達は目覚ましく、今や「AIが人間の仕事を奪う」とさえいわれます。今後、AIの強みと弱みの両方を正しく理解し、AIとうまく付き合っていくためには、AIが判断の拠り所としている「数学」の素養が欠かせません。本記事では、大人向けオンライン個別指導塾を主宰する永野裕之氏が著書『文系でもわかるAI時代の数学』(祥伝社)より、今やビジネスに欠かせない「確率」の基本的な考え方をわかりやすく解説します。

「同様に確からしい」ことを確かめる

また、天気には概(おおむ)ね〈晴れ・曇り・雨・雪〉の4種類がありますが、毎日「明日、雪になる確率は1/4だ」と考えるのも同様の理由から誤りです。

 

ジャンボ宝くじの場合、1等は2000万枚の中に1枚含まれています。今、目の前に1等を含む2000万枚の宝くじがあるとして、その中から1枚選んで引くことをイメージしてください。

 

当然、2000万通りの選び方があるわけですが、どの1枚を引くことも「同じ程度に期待」できます。2000万通りの引き方はどれも同様に確からしいので、1等が当たる確率を2000万分の1と考えるのは妥当です。

 

2枚のコインの話に戻しましょう。

 

2枚のコインが十円玉と百円玉の場合を考えてみればわかるように、2枚のコインのうち一方が表で他方が裏であるケースには、十円玉が表で百円玉が裏になるケースと十円玉が裏で百円玉が表になるケースがあります。

 

すなわち、(十円玉が表・百円玉が裏)と(十円玉が裏・百円玉が表)をまとめて(表・裏)として1通りに考えてしまうと、この(表・裏)は(表・表)や(裏・裏)と同様に確からしくなくなるため、誤りなのです([図表2])。

 

[図表2]同様に確からしいものの数の数え方

 

 

永野 裕之

永野数学塾

塾長

 

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文系でもわかるAI時代の数学

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永野 裕之

祥伝社

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