(※画像はイメージです/PIXTA)

きょう(2023年2月28日)、厚生労働省は、2022年12月分の「人口動態統計速報」を公開しました。これによると、2022年の出生数が79万9,728人と、統計史上、初めて80万人を下回りました。折しも岸田首相が1月23日に施政方針演説のなかで「次元の異なる少子化対策」を実施する方針を表明したばかりです。本記事では、現在の国による子育て支援策の概要と、その問題点について解説します。

わが国の「少子化対策」の問題点

わが国の少子化対策については、以前から、以下の問題点が指摘されています。

 

・「妊娠・出産」「初期の子育て」に偏重している

・育児と仕事を両立できる環境の整備が不十分である

・所得が減っているのに教育費の負担が増大している

 

◆「妊娠・出産」「初期の子育て」に偏重している

第一に、「妊娠・出産」「初期の子育て」に偏重しているということが指摘されています。また、「児童手当」は中学生までであり、所得制限も設けられています(もっとも、前述の通り、撤廃の方向で検討されています)。

 

しかも、授業料が無償である義務教育を終え、教育費の負担がいよいよ増大する高校生以降においては、児童手当のような制度はありません。

 

この点について、東京都の小池百合子知事は、18歳以下の都民に1人あたり5,000円を給付する制度を所得制限なしで導入する意向を表明しています。これは、国の制度のあり方に一石を投じるものといえます。

 

◆育児と仕事を両立できる環境の整備の整備が不十分である

第二に、育児と仕事を両立できる環境の整備が不十分であるとの指摘があります。

 

いわゆる「女性の社会進出」に加え、後述する所得の減少もあり、今日では夫婦共働きが当たり前になっています。

 

そんななかで、母親のみに育児の負担が集中しがち、あるいは、母親が出産・子育てのためキャリア形成を諦めなければならないといった実態が、まだまだ解消されていません。先述した男性の育児休業取得率の低さはその典型的なあらわれです。

 

父親と母親が協力し合って、育児と仕事を無理なく両立できるようにする環境の整備は急務です。

 

◆所得が減っているのに教育費の負担が増大している

第三に、実質所得が減少しているのに、教育費の負担は高騰し続けていることです。

 

日本経済の長期停滞に伴って、国民の実質所得が減少しています。また、物価高や増税が重なり、しかも、年金不安の問題もあります。就職氷河期世代に代表される「ワーキングプア」の問題もあります。

 

かつてと比べて、子どもを産み育てる以前に「自分のことで精いっぱい」という人が増えているのです。

 

ところが、教育費は過去よりも高騰しています。私立大学の授業料の平均値をみると、2001年は年799,973円だったのが、2021年は年間930,943円と、16%以上も増えています(文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査」)。

 

このように、わが国の少子化対策には、3つの問題点が指摘されています。少子化が進行しすぎると、国、あるいは社会の維持が難しくなります。3つの問題に対し、国会・政府には、対症療法ではない抜本的な施策が求められています。

 

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