(※写真はイメージです/PIXTA)

濱田佳代子氏、後藤英之氏、石黒仁氏の共著『リーダーのための動機づけ面接 実践編』より一部を抜粋・再編集し、「リーダーシップ」についてみていきます。

リーダーシップとは

リーダーの定義には様々なものがあります。例えばグロービス経営大学院MBA用語集では「リーダーシップとは、自己の理念や価値観に基づいて、魅力ある目標を設定し、また、その実現体制を構築し、人々の意欲を高め成長させながら、課題や障害を解決する行動」と説明されています。

 

また、国分康孝は「リーダーシップとは、集団目標達成のために各メンバーが連帯感を持ちながら、自分の能力をフルに発揮できるように援助する能力である」と述べています。

 

いずれの定義にも共通するのは、組織の集団目標達成と、個人の成長の両者を達成するという点です。ここでは、いったん次のように定義しておきましょう。

 

「リーダーシップとは、組織において魅力ある目標を設定し、その目標達成のために組織の連帯感を高める一方で人々の意欲を高め、能力をフルに発揮させ、成長につなげることを援助する能力をいう」

 

では、リーダーは何をすればよいのか。この定義を分解すると3つの役割が見えてきます。

 

(1)目標を設定すること自分が所属する組織の存在意義は何か、何を達成しようとしているのかを、常に明確にしておくこと。また、組織の目標を常に明確に示すこと。

 

(2)組織の連帯感を保つこと。責任分担を明確に示す一方で、メンバーの感情交流に関心を持ち、各々の役割が適切に遂行されているか確認・調整を行うこと。

 

(3)個人の成長をサポートすることメンバー一人ひとりの興味・能力に応じた現実条件を提供できるよう配慮し、サポートすること。

 

このようにリーダーシップとリーダーの役割をひとまず定義したうえで、リーダーに求められる基本的態度について考察してみます。

「関わる」リーダーシップのスタート地点

リーダーは、組織の連帯感を高め個人の成長をサポートする必要があります。その出発点は、メンバー一人ひとりと「関わる」ことです。

 

「関わる」とは、メンバーと信頼感を築き、安心・安全の場を作り、コミュニケーションの舞台を整えることです。コロナ禍によってリモートワークが広範に行われるようになり、リアルコミュニケーションの不足が問題視されています。

 

自宅でコンピューターに向かって淡々と業務を行うことの孤独さが指摘されていますが、改めて考えてほしいことは、それまでの職場にあったコミュニケーションとは何か、ということです。

 

コミュニケーションは、一般に「情報伝達」「意思伝達」と訳されますが、その語源は、ラテン語のコミュニス(communis)すなわち共通したもの、あるいはコモン(common)すなわち共有物といわれています。つまり、複数の人間の間で情報、意思、価値などを共有することがコミュニケーションの本義です。

 

リモートワークにおいて、こうしたコミュニケーションが成立しにくいのは事実かもしれません。一方、これまでの職場において、本当にコミュニケーションは存在したのかどうか、いま一度見直す必要もありそうです。

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『リーダーのための動機づけ面接 実践編』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。

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