(※写真はイメージです/PIXTA)

ビジネスの現場におけるいいコミュニケーションとはどういったものでしょうか。たとえば、生産性の高い会議にするために必要な振る舞いは論理をまくしたてることではありません。不必要なことを無理に話すべきではありません。途中で会話が途切れても構いません。明治大学文学部教授の齋藤孝氏が著書『究極 会話の全技術』(KADOKAWA)から、有益なコミュニケーション方法について解説します。

インスピレーションを引き寄せるには

「天才とは1パーセントのインスピレーションと99パーセントのパースピレーション(努力)である」という言葉を遺したのはエジソンですが、インスピレーションとは、まるで神によってフッと吹き込まれたかのような新しい発想を意味します。

 

このインスピレーションの動詞形がインスパイアですが、活力となるような思想・感情などを人の心に吹き込むことを意味します。つまり、インスピレーションとは、神によってインスパイアされたものだというわけです。

 

このインスピレーションを得るには、自分自身がひたすら思索にふけるのも一つの手です。しかし私は、それと同時に、コミュニケーションの中でお互いにインスパイアし合うことで、クリエイティブな関係が生まれ、多くのインスピレーションを得られるということを指摘しておきたいと思います。

この人と話しているとアイデアがどんどん湧いてくる……そんな人を見つけよう

インスパイアすることも、インスパイアされることも、共にコミュニケーションの技であり、ぜひ身につけたいテクニックの一つだと言っていいでしょう。

 

当たり前のことばかり口にしていても刺激がありませんし、文脈を外して適当なことばかり話していても、一向に生産的な会話にはなりません。

 

適度な角度と距離を持って、言葉を投げ合ってこそ、お互いの脳のネットワークのどこかでスパークし、インスピレーションが浮かんでくるのです。

 

そんな技を持っている両者はいずれも触発し合う関係であり、互いに交わす会話は、相手を刺激する言葉で満ちています。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

また、何気なく発した一言が相手の心の琴線に触れ、重要なインスピレーションを生むこともあります。

 

当然、相手が誰でもいいわけではありません。どうも、人によってインスピレーションが湧きやすい人と、そうでない人がいるようです。それだけに、インスピレーションの湧きやすい相手を探すことが大切です。

 

自分は、この人と話しているとアイデアがどんどん湧いてくる……そんな人を見つけて、関係を深めていくと、人生をより豊かなものにできるでしょう。

 

コミュニケーションを通じて新しい意味が生まれる瞬間を味わう。それこそまさに、人生の醍醐味です。

 

齋藤 孝

明治大学文学部教授

 

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本連載は、齋藤 孝氏の著書『究極 会話の全技術』(KADOKAWA)から一部を抜粋し、再構成したものです。

究極 会話の全技術

究極 会話の全技術

齋藤 孝

KADOKAWA

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