メガバンクは売上規模10億以上が目安
メガバンクは中小企業や小規模事業者にはハードルが高いので、最初から融資取引を得ようとすることは得策ではありません。
メガバンクが取引する会社としては売上が10億以上の会社や、海外進出やホールディングス展開をしている会社が一つの目安になります。もし、このことを知らずにメガバンクに相談に行って取引を断られたとしても、それは珍しいことではないのでショックを受ける必要はありません。
本連載の読者層である創業期の会社や規模の大きくない会社の場合は、まずは政府系・地銀・信金の3つから始め、ステップアップする形で最終的にメガバンクを視野に入れるというのが正攻法になります。
そもそもメガバンクの法人営業部は担当エリアが広いため、一つひとつの会社を訪問して親密な関係を結ぶということが難しいところがあります。そういう点でも地域密着型の銀行のほうが支援も手厚くて付き合いやすいはずです。
タイプの異なる銀行と付き合うことのメリット
1つの銀行とだけ取引する(1行取引という)のはダメではないですが、融資審査ではリスクが高くなります。取引銀行が1つということは、もし融資を断られたら受け身の取りようがありません。タイプの違う銀行と付き合っておけば、1つの銀行が不採択でも別の銀行があるのでリスク分散ができます。
また、銀行では取引先企業のなかから成長を目指す企業同士をビジネスマッチングするサービスも行っています。それぞれの銀行で取引先企業はみんな違うので、複数銀行と取引すればそれだけマッチングの可能性も広がることになります。
レアケースとしてはこんなメリットもあります。地銀はほかの地銀と合併するケースが時々ありますが、地銀Aと地銀Bが合併する場合それぞれの銀行で融資残高を増やそうとする動きが生まれます。なぜなら、地銀Aは地銀Bよりも規模を大きくして力関係で上に立ちたいと考えるからです。当然、地銀Bも同じことを考えています。
つまり、合併のタイミングで両銀行とも融資活動が活発化するのです。今後は地銀のオーバーバンキングから再編が進むといわれているので、そういうタイミングがあるかもしれません。
ちなみに、こうした現象は信金ではあまり起こりません。信金はそれぞれの地域が限定されているので、ほかの信金と合併するメリットが少ないからです。異なるタイプの銀行と付き合っておくことで、このようにさまざまなチャンスが広がるのです。
川居 宗則
中小企業診断士
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
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