(※写真はイメージです/PIXTA)

「サイレントクレーム」とは、不満を直接お店や店員に伝えずに、その商品・サービスの利用をやめることをいいます。なぜ放置してはいけないのでしょうか。コンサルタントの成田直人氏が著書『お客様を「集める」から「集まる」へ 口コミだけで繁盛店を作る究極の集客術』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

「サイレントクレーム」を無視できないワケ

■普通の満足度では口コミを書かない非情なリアクション(サイレントクレーム)

 

お客様に口コミ投稿をしてもらう難易度が高い理由の一つに、「お客様が店舗サービスについて自信を持たない限り口コミ投稿したいとは思わない」という点です。

 

お客様にとっての「普通の店」では、口コミ投稿の依頼をしてもなかなか書いてもらえません。

 

店内で口コミ投稿依頼をせずにお客様自身がお店のサービスを利用して自分の意思で点数をつける場合は1から5まで際限なく自由に採点しますが、店内で依頼をされた場合に限っては基本的に4〜5をつけるくらいのサービスでないとそもそも書いてもらえません。

 

私も、店頭でいきなり口コミを書いてくださいと言われて、感動していなかったら「後で書きます」と言ってスルーしたくなります。店外では1〜5点、店内では4〜5点をつけるということを覚えておいてください。

 

そして口コミ集客に力を入れはじめてからのクライアントの変化を見ていて、一番変わったところは店舗サービス力が格段に上がった点です。

 

当然ながら、「良い口コミを書いてもらいたいから良い接客を意識する」くらいなら、どの店舗スタッフでもできることです。しかし、意識するだけでは口コミ投稿率や評価を上げることは難しいです。

 

細かく見ていくと、私が研修やコンサルティングで伝えている口コミ投稿依頼をして、書いてもらえなかったお客様の接客を振り返る習慣がついたことが、店舗サービス力が格段にアップした理由でした。

 

ではなぜこれまで店舗サービス力が上がらない組織だったのか?

 

理由は簡単です。お客様は面と向かって「ふざけるな!」とクレームを言わないからです。でもそれこそ後で口コミ投稿する可能性があります。

 

怒りをどこかにぶつけたい衝動やエネルギーは、感動接客を受けて口コミ投稿するエネルギーよりも圧倒的に大きいです。だから、何も口コミ集客の対策をしていないと悪い口コミが集まりやすいのはこれが理由なのです。具体的には、「この店は最悪だ。二度と行かない」とか、「店員が無愛想」など短文で厳しい口コミです。

 

これらの口コミを見た見込み客は来店したいと思うでしょうか。思わないですよね。だからこそ、口コミ集客にとりかかるのは店舗経営の必須事項なのです。

 

言葉にしないクレーム(サイレントクレーム)はその場で怒るわけではないので気づきにくいです。顧客ストレスに気づくことなく毎日営業活動を続けると思うと恐ろしくなりませんか。ずっと顧客ストレスが放置され続けるわけですから。

 

しかし、もう大丈夫です。基本的に口コミ投稿依頼をして書いてもらえなかったすべての接客がサイレントクレームであると考えましょう。

 

これくらいはっきり基準を設けないと、いつまでも顧客ストレスはなくならないので、口コミ投稿依頼をして書いてもらえなかった接客は、できる限り接客後すぐに、該当スタッフと店長や副店長と接客プロセス内での顧客ストレス発見に努めましょう。

 

ここでは「だからダメなんだよ!」のような𠮟責はいりません。

 

あくまでも口コミ投稿依頼をしても書いてもらえなかった原因を特定するためのディスカッションです。そして、全員の問題として受け止めてその想定されるストレスに対する対処法を検討しましょう。

 

サイレントクレームを放置しないことで店舗サービスは日々ブラッシュアップしていきます。口コミのみで集客をしていくためには、こうした地道なエラーを解消することの積み重ねが大事なのです。放置せずにすぐに対処する、この文化を作ることが大切です。

 

成田 直人
ジャパンブルーコンサルティング株式会社代表取締役

 

 

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※本連載は成田直人氏の著書『お客様を「集める」から「集まる」へ 口コミだけで繁盛店を作る究極の集客術』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を罰すし、再編集したものです。

口コミだけで繁盛店を作る究極の集客術

口コミだけで繁盛店を作る究極の集客術

成田 直人

日本能率協会マネジメントセンター

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