(※写真はイメージです/PIXTA)

営業で遅刻しないことは誰もが気をつけることだと思いますが、意外にできていないことの1つが、クイックレスポンスです。どういうことでしょうか。コンサルタントの酒井とし夫氏が著書『もっと成果を出すための 売れる営業のルール』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

承諾トークを増やして信頼度を高める方法

■お客様が思わずうなずく会話を続けると、話し手の印象は残りやすい

 

営業の場面で大事なことは、お客様が首を縦に振ってくれるためには「どんな会話をすればいいのか?」を常に意識することです。

 

つまり、

 

「あなたの話に同意する」→「首を縦に振る」→「あなたの話に同意する」→「首を縦に振る」

 

という循環になる会話です。

 

相手の首が縦に動くような会話を重ねるスキルを「イエスセット」と言います。

 

イエスセットは、バックトラッキング(おうむ返し)が習慣になれば、すぐにできるようになります。

 

また、「事実トーク」というスキルも相手の首を縦に振らせるのに有効です。

 

事実トークとは、

 

「今日はいい天気ですね」

 

などと事実をそのまま相手に伝えることで首を縦に振らせる方法です。

 

あなたの話に思わず「はい」と応答してしまうようなテクニックです。

 

これは承諾しやすい気持ちに誘うための方法ですが、承諾が重なることは信頼度を高めることにつながります。

 

▶営業力を上げるコツ
お客様がついうなずいてしまう会話を心がける

 

■前半に事実を伝えて了解されると、その後の話も了解されやすくなる

 

先ほど紹介した「事実トーク」の応用編に、「事実と暗示」という心理的承認テクニックがあります。例えば、

 

「今日はいい天気ですね」

 

と言って相手が相づちを打ったすぐあとに、

 

「何か良いことがありそうな日です」

 

とさりげなくつぶやきます。

 

前半に事実(今日はいい天気)を伝えて、後半にあなたが誘導したい暗示(良いことがありそう)をさりげなく伝えると、相手の心に暗示が入りやすくなります。

 

実際には「天気がいいこと」と「良いこと」の間には因果関係はありませんが、「いい天気(=事実)」と「良いこと(=暗示)」を連結すると、相手はその暗示を無意識に受け取ることになります。この話法を「連結話法」と言います。

 

マジシャンやメンタリストが、

 

「この指を見ていると(=事実)、あなたはだんだん楽しい気分になります(=暗示)」

 

と言いながら、相手を望む方向へ誘導するのと同じ心理テクニックです。

 

このように暗示をお客様の心に入れておくと、本人は意識していませんが、後であなたが紹介する商品やサービスが「良いこと」であり、今は新しい商品やサービスを使い始めるには「良い時機だ」と感じるようになります。

 

ポイントは、さりげなく伝えることです。

 

▶営業力を上げるコツ
お客様が心地よく思う話をはじめにする

 

次ページ出社は30分前…時間厳守が美徳の日本人

※本連載は酒井とし夫著『もっと成果を出すための 売れる営業のルール』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

もっと成果を出すための 売れる営業のルール

もっと成果を出すための 売れる営業のルール

酒井 とし夫

プレジデント社

営業成績のいい人とそうじゃない人の差は、じつは紙一重です。その紙一重の差とは、「売れる方法」を知っているかどうかです。 ①初対面での第一印象を良くする方法 ②信頼構築の工夫 ③お客様ニーズの把握法 ④実践的セー…

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