DXの「D」、デジタルとは何か?
DXにおける「D」(Digital)は単にデジタル化するということではなく、「データを活用できる状態になる」ことと理解すると良いでしょう。
■DXで必要となるデジタル化は「データを活用できる状態」になること
業務におけるデジタル化は、多くの人が「ペーパーレスにすること」「オンライン会議をすること」「業務をシステム化すること」などと捉えがちです(図表1)。
しかし、DXを進める上で必要となるデジタル化は、「データを活用できる状態」にすることであり、単に個別の業務にデジタルツールを取り入れたり、人の作業をシステムに置き換えたりすることではありません。
■「データを活用できる状態」とは、価値に変換する準備ができていること
企業のDXにおいて、「データを活用できる状態」は、以下3つの条件を満たす必要があります(図表2)。
①蓄積されたデータが、ネットワークなどを介して取り出せること
②取り出したデータが、形式的に加工可能な汎用フォーマットであること
③取り出したデータが、内容的に価値や意味のある情報を含んでいること
たとえば、ビルの警備のために監視カメラを設置したとします。監視カメラにより、出入りする人の映像データが、どれだけ大量に蓄積されたとしても、このままでは「データを活用できる状態」ではありません。何かしらのネットワークを経由してデータが取り出せて、「社員が出勤した」「来訪者が来た」「不審者が来た」といった意味ある情報を汎用的なフォーマットで抽出できる状態になってはじめて、「データが活用できる状態」と言えます。
このように「データを活用できる状態」になっていることが、DXで業務プロセス全体、サービス全体の最適化や新しい価値の創造に進むための、必須条件です。
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<まとめ>
●企業のDXにおけるDは、「データを活用できる状態」にデジタル化すること
●「データを活用できる状態」になるよう、データの蓄積方法の整備が必要
●データが蓄積されているだけ、量があるだけにならないよう注意する
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