貯蓄は投資・保障は保険という考え方
◆保険料の差額を運用すると手元のお金が増える!
ここで、終身保険と定期保険の保険料の差額を運用した場合について考えてみたいと思います。
たとえば、想定の利回り3%で運用をしたとして、毎月3万円の積み立てを35歳から65歳までしたとします。30年間の投資期間があるわけです。総額の投資額は1,080万円ですが、運用収益は、668.2万円となり、総額で1,748.2万円となります([図表3])。
長期で定額の運用を継続するとこれだけの成果があるのです。
「そんなことを言っても投資には『リスク』があるから、そんなに増えないのではないか」という人がいます。確かにその通りです。
ただし、「リスク」という言葉は、多くの人が「危険性」の意味で使っていますが、本来はリスクは「幅」を意味するのです。上がったり、下がったりするという「幅」なのです。
過去の歴史をみても、長期に投資をすることで、上がったり、下がったりしながら、増えていくということが[図表3]をみれば明らかです。
もちろん、利回り3%の数字は保証されているわけではありませんが、こうして考えると「貯蓄型」の保険に入るよりも、必要な保障額は保険料が安い「掛け捨て型」の保険で備えて、残りを投資に回した方が手元のお金が増えると思う人は多いのではないでしょうか。
利回り3%は決して高い数字ではなく、過去の株価の推移を見ても比較的低めの数字ですから、もっと株価が上昇すればさらに利回りが高くなることも想定されます。もちろん、下がるリスクもある点は注意が必要です。
◆「長期・分散・積立」でリスク低減
日本経済のみに限れば、経済の伸びはあまり期待できませんが、世界経済、特にアメリカの経済をみると、確実に毎年成長を続けているのです。過去の推移を見ても、それを証明しています。
もちろん、これから先も同じように上がる保証はないのですが、日本人はどうしても日本のバブル崩壊を経験しているため、その時に株価が下落したイメージから、株式投資を非常にリスクの高いものと考えています。
さらに、2008年にはリーマンショックがあったため、株式投資をすることをためらう要因になっているのです。
ただ、実際に運用をしている人間からすると、短期で株式投資を行うとリスクは高いですが、「長期・分散・積立」を行うことでリスクは抑えられるのです。お金は少しでも多くあったほうが生活が豊かになります。
したがって、「貯蓄は投資で、保障は保険で」という考え方で家計を運営していくとよいかもしれません。
小宮 崇之
株式会社コミヤ保険サービス
代表取締役社長