35歳サラリーマン妻子持ち…知らぬ間に「30年で668万円」の利益喪失も!? 「貯蓄型保険」で損をするワケと「投資」で勝ち組になるワケ【FPが解説】

35歳サラリーマン妻子持ち…知らぬ間に「30年で668万円」の利益喪失も!? 「貯蓄型保険」で損をするワケと「投資」で勝ち組になるワケ【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

よく「万が一のリスクに備えて保険に入っておくべき」といわれます。しかし、「保険は家の次に高い買い物」といわれ、本当に必要なのか、慎重に吟味しなければなりません。本記事では、CFPの小宮崇之氏が、これまでの「保険の常識」に一石を投じる著書『保険の選び方・見直し方 今の保険、このままでいいの?』(ビジネス教育出版社)から、本当に必要な保険だけを選ぶコツ、保険を見直す際のポイントについて解説します。

必要な生命保険を見極めるコツ

このように、生命保険の営業マンから提案を受けたとしてもそのまま受け取るのではなく、まずは本当にそのリスクに対して保険に入る必要があるのかを考えたほうがよいでしょう。基本的に、独身の人は高額な死亡保険は不要であり、入るとしても葬儀費用のみでよいという考えで問題ないでしょう。

 

ただし、最近多い共働きの人は特に独身と同様に葬儀費用分ぐらいを保険または貯蓄しておけば問題ないでしょう。

高額な死亡保険が必要となる家庭とは

◆妻が専業主婦、子ども2人いる人は死亡保険を要検討

それでは、高額な死亡保険が必要な家庭とはどのような家庭なのかについて、考えていきたいと思います。

 

【高額な死亡保険が必要な家庭かを判断するポイント】

・ポイント1|配偶者が専業主婦や専業主夫またはパート勤務

・ポイント2|貯金が子ども1人に対して1,500万円以上ない

・ポイント3|持ち家では無くて、賃貸(つまり住宅ローンが無い)

・ポイント4|年収が平均年収ぐらい

 

この4つのポイントすべてに当てはまっている人は、確実に高額な生命保険が必要な家庭でしょう。

 

[図表1]世帯主が万一の場合の家族の必要生活資金

 

[図表2]世帯主が万一の場合の家族の必要生活資金に対する世帯主普通死亡保険金額(世帯年収別)

 

例を示すと、妻が専業主婦、子どもが2人、貯蓄は300万円、家は賃貸で、勤め先が中小企業となると、仮に世帯主の夫が亡くなった場合には、妻1人で子ども2人を養っていかなければならないのです。

 

家賃を払いながら、妻が働いて、子ども2人の学費も払わないといけないわけです。夫が死亡後の遺族年金も平均年収程度だとあまり期待ができず、生活が苦しくなるのがすぐに予想できます。

 

子ども2人を1人で支えるのは並大抵の努力ではありません。働きすぎて体調を壊してしまうこともあります。そうならないためにも、こうしたケースでは生命保険が必要なのです。

 

そして、多くの人ができることは、年齢が若い人は年収を上げることです。ファイナンシャルプランナーは「人的資本を上げる」という言い方をしますが、そこを考える必要があります。人的資本が上がると必然的に貯蓄がしやすくなるからです。

 

次に、貯蓄をしていくことです。高額な保険が必要になると、保険料も上がり、余計に家計を逼迫しかねません。そのため、貯蓄をすることで、必要な死亡保障額を下げ、保険料を抑えることができ、その分貯蓄に回すことができるのです。

 

貯蓄は地味な作業で効果が出るまでに時間がかかるため続けることが非常に難しいのですが、しっかりと貯蓄を作っていくことが一番大事なことなのです。

次ページ貯蓄型と掛け捨て型の死亡保険のメリットとデメリット
保険の選び方・見直し方 ~今の保険、このままでいいの?~

保険の選び方・見直し方 ~今の保険、このままでいいの?~

小宮 崇之

ビジネス教育出版社

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