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連載面倒な「経理」を0時間にするDX術【第3回】

コロナ禍でも毎日出勤させられ…。「経理がリモートできない会社」はやばい!デジタルとアナログの圧倒的“差”

経理DX化インボイス制度アナログ経営

コロナ禍でも毎日出勤させられ…。「経理がリモートできない会社」はやばい!デジタルとアナログの圧倒的“差” (※画像はイメージです/PIXTA)

経理事務員は「2025〜2035年までに99%がコンピュータに仕事を奪われる」と予測されています。それにも関わらず、最もDXが進んでいないと言われている分野が「経理」です。そのせいで、テレワーク・在宅勤務もできない状況です。経理のDXについて、税理士・児玉尚彦氏、上野一也氏が、著書、『改正電子帳簿保存法とインボイス制度対策のための経理DXのトリセツ 』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

 

アナログ経理はテレワークできない

コロナ禍でもアナログ経理は“毎日出勤”

2020年以降感染拡大したコロナ禍により、テレワーク・在宅勤務が推奨されました。この時期の経理部門のテレワーク状況を確認したところ、アナログ経理とデジタル経理で明確に対応が分かれました。

 

経理業務はパソコンを使った事務作業が中心ですので、テレワークに適しています。しかし、「現金での精算があるから」「請求書が郵便で届くので」「承認印がないと作業できない」といったアナログ作業が原因でテレワークできない職場が多く存在しました。

 

下記、コロナ禍の最初の緊急事態宣言のときの経理社員のテレワークの状況の調査結果を見ても、「テレワークに満足していない理由」の第1位はダントツで「書類のデジタル化が進んでいないから」でした。

 

テレワークに満足していない理由
 

 

アナログ経理におけるテレワーク・在宅勤務のトラブル例

突然のコロナ禍で緊急事態宣言が出されてやむを得ず、試行的にテレワーク・在宅勤務を始めた企業がほとんどでした。

 

経理部門においても、リモートワーク環境や作業方式、ルール体制などの準備が整わないまま、テレワーク・在宅勤務を始めたため、いろいろなトラブルが発生したという報告をたくさん聞きました。

 

そのトラブルの原因の多くは、アナログ環境によるものでした。代表的なトラブル例は、次のとおりです。

アナログ経理におけるテレワークのトラブル例

書類管理トラブル:

経理書類の原本やコピーを担当者が自宅に持ち帰って作業しているうちに、社内で書類の保管状況がわからなくなり、一部書類が紛失した。

 

明細確認トラブル:

在宅で会計処理中、請求書の記載が「〇〇一式」となっていたが、会社にある納品書等で明細を確認せずに計上したため、勘定科目を誤って処理した。

 

承認押印トラブル:

経理部の管理職、社員が交替で在宅勤務になり、一部の伝票や書類が検印や承認印のない状態で放置され、作業もれが発生した。

 

こういったトラブルが生じた経理部門では、緊急事態宣言解除後に、テレワーク・在宅勤務の継続が困難と判断して、通常どおり出勤する業務形態に戻っていきました。

 

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    税理士
    (株)経理がよくなる代表

    1984年、埼玉大学経済学部卒。
    1995年、児玉税務会計事務所設立。
    1999年、株式会社経理がよくなる設立。お客様の経理業務の改善で数々の成果実績をあげる。
    2002年、経理合理化プロジェクトⓇを発足。
    それまでの経理業務の改善実績をベースに、全国の企業に対して経理業務の合理化を提案し成果をあげる。
    2015年、経理合理化プロジェクトⓇを法人化し、一般社団法人経理革新プロジェクトを設立。
    賛同した会計事務所が続々と経理の合理化に着手し、現在その数は200を超える。

    企業の税務会計顧問の他、経理業務の効率化、財務体質の改善、経理社員の育成などを中心に活動。

    著者紹介

    税理士・中小企業診断士
    (株)経理がよくなる/児玉上野税務会計事務所 共同代表

    1976年生まれ。
    慶応義塾大学理工学部卒業後、ヤマハ(株)へ入社し、情報システム部門に8年間勤務。社内システムの設計・運用に携わる。
    2007年に会計事務所へ転職。会計業務に従事しながら税理士資格を取得。経理事務を改善するためのシステム化支援、改善後の財務分析や資料づくりなどを指導。
    現在は経理社員向けの財務研修やエクセル研修も多数実施している。
    経理関連の雑誌に記事多数執筆。

    著者紹介

    連載面倒な「経理」を0時間にするDX術

    ※ 本連載は、児玉尚彦氏、上野一也氏の著書『改正電子帳簿保存法とインボイス制度対策のための経理DXのトリセツ 』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

    経理DXのトリセツ

    経理DXのトリセツ

    児玉 尚彦,上野 一也

    日本能率協会マネジメントセンター

    経理部門は「あらゆるビジネスの中で最もDXが遅れている」といわれています。では、その原因と対処法はどのようなものがあるのでしょうか。 取引先との契約書、請求書、注文書、領収書などの電子化、そのデータの保管方法やツ…

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