デジタル経理はリモート環境で決算業務まで完了
一方で、コロナ禍をきっかけとしてデジタル化を急速に進めた会社もあります。
1〜2年の間に、キャッシュレス化、ペーパーレス化、ハンコレス化を推進し、社内の書類だけでなく、取引先との契約書や請求書などの書類もデジタル化していきました。経理部門の業務もすべて、リモートワーク環境で処理できるように整備しました。
経費精算や請求書の支払申請承認などはインターネット経由で処理できるようにして、会計システムや銀行システムと連動する仕組みを構築しています。
進捗状況に関してもオンライン会議などで画面共有しながら、リアルタイムに把握できるので安心です。会計事務所ともオンラインで財務情報を共有して、監査や決算業務もリモート環境で完結できるようになっています。
アナログ経理は「業務の継続性」に問題あり
コロナ禍において、現金、紙、ハンコといった日本の古い商慣習が、テレワーク・在宅勤務の障害になりました。以前から、このアナログ的な事務作業がホワイトカラーの労働生産性を悪化させていることが指摘されてきましたが、今回あらためて浮き彫りになったといえます。
アナログ経理のままでは、経理社員が一定期間の自宅療養または自宅待機になると、業務が停止するリスクがあります。それに対して、キャッシュレス、ペーパーレス、ハンコレスへ移行したデジタル経理は、出勤できなくてもテレワーク・在宅勤務で業務の継続が可能です。
会社として、業務が停止するリスクは1日も早く解消しておくべきでしょう。デジタル化によるリモートワーク環境の実現は、BCP(事業継続計画)を実行し経営を継続するうえで、避けて通れない課題です。