企業をはじめ、組織において立場が上になればなるほど増えてくるのが「部下の相談」です。その内容が自身の過去の経験と近いものだったり、一般的なものだったりすると聞いている途中で「答え」に気づき、つい「正解」を述べてしまいたくなるもの。しかし、経営コンサルタントの中田仁之氏は「100%正しいとしても、部下を正論で叱ってはいけない」といいます。それはなぜか、みていきましょう。
思いついた解決策は「他者事例」として話す
また、仮にアドバイスを返すにしても、あなたの答えが100%正しいことの方が少ないということも認識しておくべきだと思います。少し話を聞いただけで思いついた「正解」は恐らく相手の「核」までは至ってない、いわゆる「飛びつき事故」になりかねません。
では、相手の相談事を聞いていて、あなたが解決策を思いついた時にどうするか? それは、自分の体験談として話してみることです。
たとえば、「僕も以前に同じような相談を受け、その時相手はこう考えたみたいですが、Yさんの悩みもそれに近いイメージでしょうか?」のように、アドバイスではなく他者事例として伝えるのです。もちろん相談事を最後まで聞き終えるまでは話しません。
正論というのは、そこで話を終わらせてしまう力を持っています。正論で話の腰を折ることはとっても危険ですので、部下との関係以外にも、夫婦関係や親子関係含めすべてのコミュニケーションの場面で気をつけましょう。
コミュニケーションに必要なことはお互いが分かり合うこと、お互いの意思を確認することであって、一方的な解答を相手にぶつけることではないからです。
中田 仁之
株式会社S.K.Y.代表取締役
中小企業診断士
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株式会社S.K.Y.代表取締役/中小企業診断士
株式会社A.B.United代表取締役
内閣府「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」会員
2025大阪・関西万博共創パートナー
1969年大阪生まれ。
幼少期より野球一筋、関西大学在学時には体育会準硬式野球部に所属、大学選抜メンバーに選出され海外遠征を経験。「JAPAN」のユニフォームに袖を通し、海外で君が代を歌うという経験を持つ。
卒業後、大日本印刷株式会社に入社、コンサルティング営業として20年間活躍後、2012年2月に株式会社S.K.Y.を設立。
「大好きな人に本気の応援を提供する」という企業理念を掲げ、上場企業から個人事業主まで幅広い顧客層を持つ。主な事業は販売促進に関するプロデュース業及び営業力強化・人材育成等のコンサルティング、さらに経営者やリーダー向けのビジネス講座を東京・大阪で主宰、企業からの講演依頼やリーダー育成プロジェクトの開発などの依頼が殺到している。
2020年5月、アスリートのネクストキャリアを支援する「日本営業大学(現Athletes Business United®︎)」という日本初のアスリートに特化した教育機関を設立、元プロ野球選手やJリーガーほかさまざまな競技に取り組む現役選手や引退した元アスリートから大学生まで、のべ300名のアスリートに対しビジネス教育を提供。就職や起業、地方創生や就農など1人ひとりに合ったネクストキャリアをプロデュースしている。
主な著書に、『困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント』(2018年株式会社ユサブル)。発売直後に重版となりロングセラーに。台湾、中国でも翻訳・出版された。
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