(※写真はイメージです/PIXTA)

米アップルが開発中とされる電気自動車(EV)「アップルカー」。先ごろ、この話題が1年ぶりに報じられました。アップルは厳格な秘密主義で知られ、製品計画の報道やうわさに関してコメントしない企業です。しかし、これまで同社のティム・クック最高経営責任者(CEO)がアップルカーを示唆したと報じられたり、韓国・現代自動車との交渉が報じられたりし、「計画は存在する」と広く受け止められています。一方、アップルが2022年6月に開催したイベントでは、スマートフォン「iPhone」と車が連携する機能「カープレー」の次世代版が披露されました。そこで今回は、同社が秘密裏に開発しているとされるアップルカーを探ってみます。私たちの生活・社会を一変させる可能性がありそうです。

システムにはクラウドベースのAI(人工知能)処理用装置も含まれます。アップルはそのホスティングサービスを米アマゾン・ドット・コム傘下の米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)に頼っており、開発段階の今も年間約1億2500万ドル(約170億円)のコストをかけています。しかし、これは「同社が自動車開発プロジェクトに毎年費やしている約10億ドル(約1300億円)の一部にすぎない」とブルームバーグは指摘しています。

 

このほか、緊急時に遠隔で車を制御するリモートコマンドセンターの開設や、アップル独自の自動車保険も検討しているといいます。
 

カープレーでiPhoneと緊密統合するクルマ

アップルは22年6月、iPhoneと車を連携させるカープレーを23年に刷新すると発表しました。カープレーはアップルが14年からiPhone向けの基本ソフト「iOS」に搭載している機能です。iPhoneを有線・無線で車と接続すると、車載機のディスプレーにiPhoneの画面が表示されます。地図や電話、メッセージ、音楽、オーディオブックなど一部のアプリに限られますが、利用者は普段使い慣れているアプリを、より大きなディスプレーで利用できます。もちろん音声アシスタント「Siri」も利用できます。

 

23年に刷新する次世代カープレーでは、従来のインフォテインメントアプリに加えて、速度計や燃料計、温度計など計器類の表示やカーエアコンの操作も可能になります。速度など車のデータをiPhoneに取り込み、それらを車載ディスプレーで表示したり、操作したりできるようにする仕組みです。アップルの狙いは、すべての車載ディスプレーにiPhoneの使い勝手を提供すること。表示される計器類は、さまざまな色や形、背景、レイアウトを選択でき、運転体験をパーソナライズできるといいます。

 

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長谷川 建一

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シティバンクグループのニューヨーク本店にて資金証券部門の要職を歴任し、日本に「プライベートバンク」を広めた第一人者である著者。現在は香港に自ら設立した『Wells Global Asset Management Limited』の最高経営責任者と…

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