しかし、最新報道によれば、アップルはこの構想が現在の技術では実現不可能だという現実に直面したといいます。そこで同社は、ハンドルとペダルを備え、高速道路での自律走行機能のみをサポートする設計へと計画を変更したと伝えられています。
これにより、ドライバーが高速道路走行中に映画を見たりゲームをしたりするなど、運転以外のことができるようになります。また、市街地に近づいたり、悪天候に遭遇したりした場合は警告を出し、手動運転に切り替えられるようになるそうです。
相次ぐ報道でアップルカーの存在明らかに
アップルは開発中の製品やサービスについて徹底的な秘密主義を通す企業です。つまり、これらの報道はあくまでも米メディアや通信社などが関係者など周辺人物に取材して得た情報に基づくものです。
クックCEOの発言もこれまでにたびたび報じられており、例えば21年4月にはクック氏がポッドキャストのインタビュー番組に出演し、「自動運転の開発計画をほのめかした」と米CNBCが報じました。
「一歩離れて見れば、自動車はさまざまな点でロボットの要素がある。そして自律走行車はロボットだ。自律技術を使ってできることはたくさんある。我々はアップルが何をするのか検討している」とクック氏は述べたといいます。
同氏は「社内で多くのことを研究している。多くは日の目を見ないが、1つも日の目を見ないとは言わない」とも述べました。アップルが自動車そのものを開発しているのか、それとも自動運転に使われる技術を開発しているのか、という質問にクック氏は答えませんでした。
しかし、「我々は製品を取り巻く重要技術を自社で持ちたいと考えている」とし、「ハードウエアとソフトウエア、サービスを統合したいと考えており、その交点を探っている。そこに不思議な力が宿ると信じているからだ」とも語っています。
アップルはEV分野でも、中核技術を自社で開発・保有し、生産を協力企業に依頼するビジネスモデルを考えているとみられています。
##出典:米CNBC「Tim Cook drops some hints on Apple’s car plans, shares what he thinks of Elon Musk and Tesla」
https://www.cnbc.com/2021/04/05/tim-cook-interview-apples-car-plans-and-thoughts-on-elon-musk.html