(※写真はイメージです/PIXTA)

よく「万が一のリスクに備えて保険に入っておくべき」といわれます。しかし、「保険は家の次に高い買い物」といわれ、本当に必要なのか、慎重に吟味しなければなりません。本記事では、CFPの小宮崇之氏が、これまでの「保険の常識」に一石を投じる著書『保険の選び方・見直し方 今の保険、このままでいいの?』(ビジネス教育出版社)から、本当に必要な保険だけを選ぶコツ、保険を見直す際のポイントについて解説します。

自宅を購入した段階での保険の考え方

住宅ローンの借入と団体信用生命保険はセット

住宅購入のタイミングは、結婚後、子どもができたことである程度の広さが必要になった時が一般的です。賃貸の場合、専有面積が広い物件が少ないことが1つ、もう1つは家賃が高額になるという理由からです。

 

もちろん昨今の国による低金利政策も、一役買っていると言えます。確かに住宅を購入すれば、家賃を払わなくて済むし、ローンが終われば自分の物になります。今の低金利時代、一見、家賃を払っているよりもお得に感じるかもしれません。

 

しかし、現実はそんなに簡単な話ではありません。賃貸で住み続けるのか、それとも家を購入するのかは、夫婦にとって極めて大きなテーマの1つといえます。

 

一般に自宅を購入する場合、現金で一括払いできれば問題ありませんが、そんな人はほとんどいません。住宅は高額なため多くの人が頭金として一部のお金を入れ、残りを住宅ローンによって返済していきます。なお、民間の銀行で住宅ローンを組む場合は、、団体信用生命保険に加入するのが条件になっています([図表5])。

 

[図表5]団体信用生命保険の仕組み

 

フラット35は任意ですが、一般的に団体信用生命保険に入ることになると考えるのが妥当です。

 

この通称「団信」といわれる団体信用生命保険は、住宅ローンの借入をした人が亡くなる、あるいは高度障害を負った時に、住宅ローンの借金が帳消しになるという仕組みの保険です。

 

具体的には、亡くなった際に保険会社から銀行に直接保険金が支払われることで借金が0になります。団信の加入は、民間の銀行が提供している住宅ローンを利用する場合は基本的に必須です。

 

一方、フラット35などの住宅金融支援機構が提供している住宅ローンを利用する場合は任意(有料)ですが、万が一の際に残された家族が住宅ローンを返済不能になるリスクを考えれば加入を前提に考えるべきです。

 

保険料は、民間の場合ローンに含まれているので基本的に無料です。ただし、3大疾病など上乗せタイプの団信に加入する場合は別途コストがかかります。

 

最近はこの部分についても保険料が無料のタイプもでてきていますが、一般的に上乗せ団信で特約を付帯する場合は、その分の保険料を支払う必要があります。なお、保険料の支払いパターンは、[図表6]の通りです。

 

[図表6]保険料の支払いパターン

 

いずれにしても、長期にわたる住宅ローンは極めてリスキーです。それを担保するために「住宅ローンを組むと自動的に借入金額相当の生命保険に加入することになる」というわけです。 

次ページ団体信用生命保険の注意点
保険の選び方・見直し方 ~今の保険、このままでいいの?~

保険の選び方・見直し方 ~今の保険、このままでいいの?~

小宮 崇之

ビジネス教育出版社

自分の意志で保険を選ぶ、見直すための知識満載!

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録