面接は「自分をよく見せるか」に苦心する
■話に違和感・誇張を感じた時は?
面接はある種の自己アピールの場ですから、候補者は必然的に自分を「盛ろう」とする傾向があります。実際、多くの学生や転職希望者は「自分をいかによく見せるか」に苦心しています。
もちろん、就職・転職における選考はとりあえず突破すればよいものではなく、人材と会社の相性のマッチングが最重要です。
ミスマッチを起こしてしまうことは絶対に避けなければならないので、“盛る”行為は慎んでほしいですが、採用側は採用側で自社をよく見せたいと考えているので、候補者の気持ちを頭から否定する気にはなれません。そのため、面接担当者は、候補者はある程度「話を盛ってきている」ものと理解したうえでそれを抑制することを考えるべきではないかと思います。
私がおすすめなのは、「この面接ではそんなに自己アピールをする必要がない」ということを率直に伝えることです。
そもそも完璧な人材などいないことは、皆も頭の片隅で理解しています。それなのに、面接でだけ採用側が完璧を求め、候補者も完璧な人材を装うのは不毛といえます。
そこで例えば、「仕事はチームプレイで行なっているので、強みや弱みがあっても、お互いにサポートしていければ十分」とか「むしろ、自分が不得意なことをやっている時やピンチの時に、周囲の人にきちんと助けを求められるかが重要」などと伝えてみてはどうでしょうか。
他にも「うちには、こんな人やあんな人といった色んな人がいて、助け合って仕事をしています」という伝え方もあります。
実際、私がいたリクルートでは「前向きで明るくて元気な人ばかり」と思われていたのですが、ほしい人材は別にそういう人ばかりではありませんでした。そのため、よく「うちには暗い人もたくさんいる」などとあえて選考の場で言うようにしていました。
また、候補者に完璧を求めないのと同様、採用側も完璧な存在として振る舞わず、“素”を出すことも重要です。
例えば、面接担当者自身のカッコよくない部分なども見せるのです。立派な入社動機ではなく、「ほんのちょっとしたきっかけでこの会社にした」みたいな話をしてみたり、「学生時代にそれほどたいしたことをしてきた人間ではない」というようなことも伝えてみたりすると、候補者も「ああ、この人もふつうの人なんだな」と感じ、「素」を出しやすい雰囲気を醸し出せます。
•面接ではアピールしなければという思いが生じるのは自然なことなので、面接担当者もある程度割り切る。
•「素」を出しても問題がないのだという雰囲気をうまく作ってあげることが重要。
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