前回に引き続き、バランスの良い食事を摂るために覚えておくべき言葉、「まごわやさしいこ」について紹介します。今回は、「ご」の食材について見ていきましょう。

「抗酸化作用」をもつ機能性成分が豊富

「ご」はゴマなど種子類を指します。ゴマのほかクルミ、アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオ、銀杏などがこの部類に入ります。

 

日本人にとって身近なのがゴマでしょう。ゴマは昔から「不老長寿の秘薬」といわれるほど栄養価が高いことで知られています。ゴマの主成分は、脂質が約50%。約20%がたんぱく質で、残りの約30%がビタミン・ミネラル・食物繊維です。なかでもカルシウムは、100グラム中に1200㎎、牛乳の12倍もの量が含まれています。

 

また私たちの体の中では常に活性酸素が生まれており、これが細胞をサビさせ、老化を進める真犯人と言われています。ゴマにはこの活性酸素を除去する作用のある抗酸化物質がいくつも含まれています。

 

その代表はセサミン、セサミノールなどのゴマリグナンと呼ばれる成分です。強い抗酸化作用により動脈硬化や高血圧、がんなどを予防するほか、脂肪を燃焼させる、疲労回復、老化抑制など、さまざまな健康効果があります。

 

またビタミンEも含まれています。ビタミンE自体が抗酸化ビタミンの一つで、血行を促進して全身の細胞に酸素を運び、内臓機能をアップさせたり、肌や髪をつややかにしたりします。さらにセサミンとビタミンEを一緒に摂ると、血液中のビタミンE量が2倍になるという相乗効果があることもわかっています。

そのままでは体に吸収されにくい点に注意

1日に摂取したい量の目安は、ティースプーンで山盛り2杯( 10 ~20グラム)ほど。ただ一つ注意したいのは、ゴマは表皮を硬い皮で覆われているので、そのままで摂取しても体に吸収されにくいという点です。

 

すりゴマや練りゴマといった形で食べれば、栄養の吸収がずっとよくなります。こうした吸収面に関しても意識して活用していきましょう。

本連載は、2015年11月26日刊行の書籍『学力は「食育」でつくられる。』から抜粋したものです。記載内容は予防医学の観点からの見解、研究の報告であり、治療法などの効能効果や安全性を保証するものではございません。

学力は「食育」でつくられる。

学力は「食育」でつくられる。

池上 公介

幻冬舎メディアコンサルティング

勉強は「基礎が大事」と言われます。基礎がきちんとしていなければ、その上にいくら知識を積み上げても結局崩れてしまいます。同様に、学習に取り組む意欲や自己を律する自制心、困難に負けずに学び続ける気力・体力も大切です…

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