お金のことを気にすることなく会社を運営できれば気楽でしょうが、現実は残念ながらそうではありません。経営に携わるかぎり、いつ何時でも資金繰りは切り離せない問題です。2020年に世界が一変してから、お金のことにより向き合わざるをえなくなった社長は数多くいるはずです。多くの経営者が必要とするお金に関する知識と、考え方について、大林誠一氏の著書『社長のためのお金のトリセツ』(かざひの文庫)で解説します。
資金調達における“金融機関との付き合い方”
「もしものとき」をいつも想定しておく
前述したように、資金調達で大切なのは、「いいときほど備えておく」という意識を持つことです。「いいときほど借りてほしい」というのが、金融機関のスタンスです。
万が一のときのために資金調達をしておこうと思うのであれば、1年前くらいから仕込みをしておきましょう。
お金があるうちから、「なくなった場合はどうするのか」を考えておくのです。たとえば資金の回収が遅れたり、支払い元が倒産したらどうするのかということを、常日頃から考えておいたほうがいいでしょう。
そして資金調達ができたら、いい投資、いいビジネス以外には使わずに、とっておきます。
借りやすいときに、借りられるだけ融資を受けておく
わたしの会社でも、コロナ関連融資で数千万円を調達しました。
現在取引している銀行が2つあり、今回の融資の窓口になっている銀行からは一切動かさず、お金を消費したように見せないことを心がけています。そのため、資金をそのまま約1年置いておくつもりです。
世の中の情勢によって、借りやすいタイミングが訪れる場合があります。そういったタイミングは逃さないようにしたほうがいいですね。
会社が安定して利益を出しているうちに、日頃から銀行とやりとりして接点を持っておくようにしましょう。
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シーアンドシー株式会社 代表取締役
1992年、久留米大学卒業後、一部上場企業のバスケットボールチームに実業団入りした後、地元の電子部品メーカーにて、専務秘書となる。
不動産販売にも携わった後、省エネ機器のトップメーカーから声がかかり、全国代理店営業のトップセールスマンとして活躍。その後、新しい仕組みづくりを構築し、事業を全国規模に。
このとき、街の不良グループたちを更正させ、結果を出す営業マンへと成長させる。札幌市内で起業してからは、大手通信教育会社の新規教材開発や電話応対のオペレーション業務受託をはじめ、経営コンサルティングや飲食業の企画運営などに取り組み、東京、福岡でもビジネスを展開。洞爺湖サミットでは、環境省主催のエコパビリオンの運営管理を受託。
2016年にシーアンドシー(株)設立後は、太陽光発電事業や実務交渉サポートのほか、かならず結果をだす経営コンサルティングと、後進の育成にも力を入れている。
【シーアンドシー株式会社:https://cc-hp.jp/】
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